中国茶は今では日本でも有名で、広まっている中国発祥のお茶のことをまとめていいます。日本でもインターネットなどでも簡単に手に入り、よく耳にします。中国茶は一説によると2000種類以上もあるといわれています。しかしそれではわかりにくいので、製造時と醗酵度と醗酵方法で大体6種類に分けられています。

中国茶

分類

緑茶

非醗酵茶

青茶

半醗酵茶

白茶

弱前醗酵茶

黄茶

弱後醗酵茶

黒茶

後醗酵茶

紅茶

完全醗酵茶


●中国で一番多いのは・・・実は緑茶
日本で“中国茶”と聞くと烏龍茶を思い浮かべるほど有名ですが、実は中国では緑茶が一番多いと言われています。日本の緑茶も元は中国から伝来してきたものなのです。
日本の緑茶は蒸して作りますが、中国では釜で煎って作ります。一般的に中国ではガラスコップに入れておよそ80度のお湯を注ぎ、茶葉が上下する様子を見ながら飲みます。緑茶は醗酵せずに作る、非醗酵茶です。 また、緑茶にはビタミンCが豊富に含まれています。

〜作り方〜
緑茶は 殺青(さっせい)→揉捻(じゅうねん)→乾燥 という順番で作ります。まず茶葉を釜で煎り、茶葉の酸化作用を止め、醗酵を止めます。そして醗酵を進ませるために手や機械で茶葉を揉み、その後茶葉を乾燥させて作ります。
●烏龍茶について

日本人が最も“中国茶”という意識を持っているであろう烏龍茶は青茶の中に含まれます。青茶は、非醗酵茶の緑茶と完全醗酵の紅茶の中間の、半醗酵茶です。青茶の原産地は中国の「福建省」や「広東省」です。青茶は古く、10世紀以前から存在していました。宋、明、清を通じて皇帝への献上物とされていました。その後イギリスなどに運ばれ、貴族の間で愛飲されていたそうです。そして中国大陸からの「烏龍茶」に改良を加え、台湾が独自の「烏龍茶」を生み出しました。

〜作り方〜
青茶は 萎凋(いちょう)→揺青(ようせい)→抄青(しょうせい)→揉捻(じゅうねん)→乾燥 の順で作っていきます。まず、取り立ての茶葉を日光と室内の2段階で並べて乾燥させ、醗酵を進めながら香りを引き立たせます。それから室内で竹の籠などに入れ、その後釜で煎り、醗酵を止め、茶葉を揉んでから乾燥させて作ります。
●貴重な白茶

生産量が少ない、非常に貴重なお茶が白茶です。白茶は主に福建省で作られ、約900年以上も前から皇帝に愛されたお茶として歴史も古いお茶です。白茶は摘み取った茶葉を丁寧に並べ、月光で自然乾燥させて作り、茶葉には白色の産毛(白毛)が生えていることで有名です。白茶は一芯一葉の「白芽茶」と一芯二葉の「白葉茶」の二種類に分類され、「大白種」という茶樹から作られます。白茶は弱前醗酵茶です。

〜作り方〜
白茶は 萎凋→乾燥 の順で作っていき、まず、茶葉を重ならないように並べて茶葉の水分を30%まで蒸発させ、香りを引き立てから、荒茶を分別して良いものを選び、水分を約6%まで乾燥させて作ります。

●もっと貴重な黄茶

手に入るのが非常に難しいというお茶が黄茶です。歴史は白茶よりも古く、唐の時代からあります。

〜作り方〜
作る順番は 殺青→揉捻→初コウ(しょこう)→攤涼(たんりょう)→再コウ(さいこう)→悶黄(もんおう)→乾燥 です。まず茶葉を釜で煎り、酸化酵素の働きを抑え、醗酵を止め、茶葉を揉み醗酵を調整してお茶の出をよくし、火であぶり、乾燥させます。そして茶葉が温かいうちに重ね、冷やし、再び茶葉を火であぶり、お茶を重ねてさらに醗酵させてから乾燥させて出来上がりです。
●黒茶

黒茶は製造するときに人工的に菌を繁殖させ、後醗酵させることから後醗酵茶と言われています。プーアル茶が有名ですが、消化を促進させる作用が強くあります。
黒茶には「散茶」という、茶葉がばらばらなものと、「緊圧茶」というきつく固めてあるものがあります。

〜作り方〜
黒茶を作る順番は 殺青→初揉(しょじゅう)→握堆(あくつい)→復揉(ふくじゅう)→コウ培(こうばい) です。まず生茶を釜で煎り、茶葉の醗酵を止め、茶葉を一回目に揉みます。水分が残っている茶葉を重ね、最近を繁殖させて醗酵を促進させ、茶葉を二回目に揉んで、火であぶり乾燥させて作ります。
ムシゴケ科の植物で作った「雪茶」
(茶外之茶の一種です)
●紅茶も実は中国原産

日本だけでなく世界中に有名で好まれている紅茶も、実は中国が発祥なのです。紅茶は中国福建省では16世紀だと言われていますが、その後の19世紀にインドやスリランカに持ち出され生産されるようになり、元の中国のものよりも有名になりました。

〜作り方〜
紅茶は 萎凋→揉捻→醗酵→乾燥 といった順番で作られます。天日や室内で茶葉をしおれさせてから乾燥させ、手もしくは機械で揉みます。それから茶葉を醗酵させ、急速に温度を上げて醗酵を止めてから低温でゆっくり乾燥させます。
バラ科の花を乾燥させて作った「メイクイ花茶」
中国茶には「茶外之茶」というものもあり、これは茶樹以外の植物を使用してお茶のように飲むものをこう呼びます。

その他の中国茶には再加工茶があり、まだ加工途中で完成していないお茶を「毛茶」といい、それを加工して出来上がると「精茶」となります。この「毛茶」の段階で特殊な加工をするのを「再加工茶」といいます。これは六大中国茶の分類には属くさないが、重要なものです。この一つには「花茶」というものがあります。「花茶」には、花だけのものと、中国茶の茶葉に花の香りをつけたものがあり、その中では「ジャスミン茶」などが有名です。「花茶」は1000年以上昔からあったといわれています。