〜豆腐の歴史〜


●発祥の地は中国

日本で古くから愛され続けている豆腐の発祥の地は中国とされています。中国で豆腐が生まれたのは、16世紀の『本草網目』という中国の書物に、紀元前2世紀に前漢の淮南王の劉安の創作にある、という説があることに基づいています。しかし豆腐について書かれた文献が唐の時代まで何もないことから、豆腐の起源は唐の時代の中期である、という説もあります。よって、豆腐は少なくとも唐代には造られていたと考えられています。
●日本に伝来

豆腐が日本に伝来したのは奈良時代だとされています。中国に渡った遣唐使の僧侶などによって伝えられたと考えられていますが、はっきりとした証拠はありません。しかし、日本で豆腐が造られたのは奈良・平安時代だと思われます。こうして、豆腐ははじめ貴族階級や僧侶などの間で食べられるようになり、やがて庶民の食生活にも取り入れられるようになったのです。
●江戸時代頃から爆発的に普及し始め・・・

本格的に庶民にも食べられるようになったのは、江戸時代の中期だといわれています。江戸時代の初期にはまだ庶民にとっては貴重な食品とされていました。1782年の天明2年に刊行された豆腐の料理本、『豆腐百珍』が爆発的な人気を呼びました。その後翌年には『豆腐百珍続編』、そしてそのまた翌年には『豆腐百珍余録』が出版されたのです。その以後も豆腐は全国に普及し、今は世界にまで広まり、知られる有名な食品となっています。



〜豆腐の種類〜


豆腐には栄養が豊富に含まれています。今ではダイエットに効くなど、健康にもとても良いことから古くから好まれています。
豆腐の種類は、木綿豆腐、絹ごし豆腐、そして充填豆腐が主な三つです。

○木綿豆腐

一番一般的な、古くからの豆腐が木綿豆腐です。木綿豆腐の製法は、豆乳を凝固させることから始まります。まず熱いままの豆乳を凝固器に注ぎ、凝固剤を入れ、凝固剤が均等に行き渡るよう撹拌(かくはん)し、一定の時間置きます。次に「崩ずし」をします。凝固した豆乳を、用具を使って“くずし”ます。これは、豆腐に取り込まれなかった水分や油分を分けやすし、型箱に入れやすくするためです。それから型入れ・圧搾をします。崩ずし・上澄みを取り除いた凝固物を柄杓(ひしゃく)などで型箱に盛り込みます。型箱は孔が開いたものを使い、箱の中に布をひいておきます。凝固物が一杯になったら布を覆って蓋をし、上から重しをのせることによって圧力を加えます。これで箱の穴から「ゆ」(=上澄み)が出て、ちゃんとした形の木綿豆腐が出来ます。最後に成型された豆腐を水槽に出し、水に晒し、一定の大きさに切り分け、木綿豆腐の出来上がりです。

木綿豆腐を造る最中、あまり崩ずしを行わないで、圧搾を少なくして「ゆ」をあまり取り除かないで仕上げる豆腐を「ソフト豆腐」といいます。ソフト豆腐は木綿豆腐と絹ごし豆腐の中間の柔らかさと滑らかさを持ち、かつしっかりとしています。そしてもう一つ、木綿豆腐を造る最中、型箱に入れる前の“寄せた状態”のものをそのまま製品としたものを「寄せ豆腐」といいます。寄せ豆腐は型箱での圧搾や水晒しをしないので、木綿豆腐とは一風違った味わいが楽しめます。
○絹ごし豆腐

絹ごし豆腐は柔らかく滑らかな豆腐です。なので木綿豆腐のように撹拌・崩ずしや型箱での圧搾、「ゆ」の取り除きも行いません。よって濃い豆乳で形作りを図ります。まず熱いままの豆乳を凝固剤を入れた穴のない型箱に布をひかずに流し込みます。その勢いで凝固剤が均等に混ざり、一定の時間を置き、型出しと水晒しをします。絹ごし豆腐は、保水力のある凝固剤・澄まし粉、その以後のグルコノデルタラクトンで製造しやすくなり、今に至っています。
○充填豆腐

充填(じゅうてん)豆腐は、絹ごし豆腐のような滑らかさがあり、充填絹ごし豆腐ともいいます。まず一旦冷やした豆乳を凝固剤と共に一丁ずつ容器に注ぎ、密閉し、加熱して凝固させます。充填豆腐は、一丁ずつ切り分けないのも一つの大きな特徴です。この豆腐は流れ作業の大量生産に適しています。さらに充填豆腐は密閉してから凝固させるので、殺菌が行われて日持ちが良いのです。
○その他

この他にも色々な豆腐加工品や豆腐に関連している食品が数多くあり、有名です。
豆腐加工品には:焼き豆腐、生揚げ(厚揚げ)豆腐、油揚げ(薄揚げ)、がんもどき、などがあります。
そしてその他の豆腐の関連食品には:豆乳、湯葉、凍り豆腐、オカラ、などがあります。