2.体細胞分裂と減数分裂

細胞が分裂して個体になり、その個体が自己を維持・複製する仕組みは複雑です。
生物の体では毎日、たくさんの体細胞が死んでいきます。
なので、たえず新しい細胞をつくられなければなりません。
このとき、古い細胞のことを
親細胞 といい、新しい細胞のことを 娘細胞 といいます。
そして親細胞が自分とまったく同じゲノムを持つ娘細胞をつくる分裂のことを
「体細胞分裂」 といいます。
皮膚、骨、内臓など人体を構成する各部分の細胞を
体細胞 といいますが、ここで起きているのが体細胞分裂です。
その仕組みをみてみましょう。
まず46本(23対)ある染色体がそれぞれコピーされて体細胞2個分の染色体になります。
それが細胞になるのです。
体細胞分裂に対して、卵巣や精巣といった
「生殖細胞」 で起きる細胞分裂のことを 「減数分裂」 といいます。
減数分裂では、細胞の分裂にしたがって
染色体の数が半分 になります。
あらかじめ23対ある染色体がコピーされるところまでは体細胞分裂と同じですが、染色体の「乗り換え」が起きて、遺伝子の配列が親とは異なるようになります。


 東京医科大学提供


そして細胞分裂が起きると、23種類の染色体1本ずつ持つ4つの細胞になるのです。
これを
「第2分裂」といいます。
なお、精巣では4つの細胞のすべてが精子になりますが、卵巣ではこのうち1個だけが卵子になります。
体細胞は23種類の染色体を2組持つことから、
2倍体と呼ばれます。
一方、精子や卵子といった配偶子は1組しか持たないことから
1倍体と呼びます。
この違いは、2種類の配偶子は受精するからです。
父親由来の染色体23本を持つ精子と、母親由来の染色体23本持つ卵子が結合し、46本の染色体を持つ2倍体になるのです。



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