56番
出典:「後拾遺集」より

あらざらむ こののほかの おも
いまひとたびの あふこともがな
和泉式部いずみしきぶ

■口語訳

私はきっともうすぐ死んでしまって、この世にいなくなるでしょう。ですから、私があの世にいった後で、 この世に生きていたときの思い出にできるように、せめてもう一度あなたにお会いしたいのです。

■作られたワケ

和泉式部が会いたいと思ってこの歌を 送ったのは、最初の夫だった道貞ともいわれています。

10.html izumi.html
■作者プロフィール

和泉式部(999?〜?)
越前守大江雅致(えちぜんのかみおおえのまさむね)の娘。はじめ和泉守橘道貞(いずみのかみたちばなのみちさだ)の妻 だったので、和泉式部と呼ばれます。その後、一条天皇の中宮彰子に仕えました。敦道親王との情熱的な恋をつづった「和泉式部日記」 が有名です。

もどる