68番
出典:「後拾遺集」より

こころにも あらでうきに ながらへば
こひしかるべき 夜半よはつきかな
三条院さんじょういん

■口語訳

心からの願いでもなく、このつらい世を生きながらえたなら ば、その時こそ、きっとこの宮中で見た夜の月が、恋しく思 い出されることだろう。    

■作られたワケ

天皇は今、不幸のどん底でした。
目は見えなくなるわ、の退位を決意したころ藤 原氏に圧迫されるわ・・・。
それで、退位を決意した時、この歌を詠みました。    

13.html
■作者のプロフィール

三条院(976〜1017)
三条院は、第六十七代の天皇です。藤原道長に圧迫され て、わずか五年で退位し、翌年出家して、まもなく亡く なりました。

もどる