69番
出典:「後拾遺集」より

嵐吹あらしふく 三室みむろやまの 紅葉葉もみぢば
竜田たつたかわの にしきなりけり
能因法師のういんほうし

■口語訳

激しい嵐がふきちらした、三室の山の紅葉の葉が、龍田川 に一面にちりしいて、まるで、錦の織物のように美しいこ とだ。    

■作られたワケ

宮中で歌合せがありましたが、能因法師は全然思いつきません。
その時に、昔行った 竜田川のことを思い出してこの歌を作りました。    

13.html
■作者のプロフィール

能因法師(988〜?)
能因法師は、三十のころ出家し、今の兵庫県や大阪府のあたりを中心に生活しました。
その歌が注目され、宮中の歌合せにも出席しています。三室山は、奈良県にある紅葉の名所です。

もどる