84番

出典:「新古今集」より

ながらへば またこのごろや しのばれむ
しとぞ いまこひしき
藤原清輔朝臣ふじわらのきよすけあそん

■口語訳

もし生きながらえたならば、辛いことの多い今のことが、懐かしく思い出されるだろうか。かつては辛いと思った昔が、今では懐かしく思われるのだから。

■作られたワケ

清輔の友達が、今年も昇進できず落ち込んでいました。清輔はそんな友達を 慰めるため、この歌を詠みました。

 
■作者のプロフィール

藤原清輔朝臣 (1104〜1177)
藤原清輔朝臣は、左京大夫顕輔さきょうのだいぶあきすけの子で、俊成・定家という歌人の家と対立関係にあった家に生まれました。 知識が深く、著書も多くありました。
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