87番
出典:「新古今集」より

村雨むらさめの つゆもまだひぬ まきの
霧立きりたちのぼる あき夕暮ゆふぐ
寂蓮法師じゃくれんほうし

■口語訳

さっと通り過ぎたにわか雨が残した露もまだ乾ききっていな い、杉やひのきの葉のあたりに、もう霧がたちのぼっている。 ものさびしい秋の夕暮れだよ。    

■作られたワケ

藤原俊成に子供ができたのは、定長が養子になってから 十年後のことでした。定長が出家し、寂連という名前で 京都の嵯峨に移り住みました。1201年のある日、後 鳥羽 上皇から使いがやって来ました。歌合せに出した寂連の 歌は大評判でした。    

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■作者のプロフィール

寂蓮法師(1139?〜1202)
寂蓮法師は、藤原俊成(ふじわらのしゅんぜい)の養子でしたが、三十半ばで出家しました。
「新古今和歌集」 の編集にたずさわりましたが、完成前に亡くなってしまいました。

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