農家

 農家は庶民の住居として、それぞれの地域を代表する形式を持っています。主として屋根の形式が、外観を特徴づけています。中世末まで、それほど規模の大きい農家はありませんでした。現在も実在する中世の農家は2〜3棟知られているだけですが、それと同じくらいの価値を持ち、現存している伝統的な農家が他にもあります。

 例えば、岐阜県白川村の大屋根で知られている合掌造の構造を見てみましょう。合掌造りは柱の上部を梁・桁で固め、その上に合掌を三角形に組んで屋根を構成しています。構造的に合掌以外の材を必要としないので資源節約になるだけではなく大きな屋根裏の空間が作り出されるのです。 養蚕地帯では、その屋根裏の空間の中に竹や板のすのこ床を何段にもつくり、蚕を飼って生活していました。

明治時代に突入へ

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