1839年 グローブ卿が燃料電池の実験に成功

ファラデーによって、水にプラスとマイナスの電極を入れて、電気を流すと水素と炭素に分解されるという、「水の電気分解」が発見されましたが、その逆はできないだろうかと、英国の物理学者ウィリアム・グローブ卿は考えました。そして、硫酸に浸した2つの白金電極に水素と酸素を与えて、電流を作り出す実験に成功しました。しかし、グローブ卿が実験に成功した燃料電池は発生する電流が小さく、また蒸気機関や内燃機関の実用化が進んだこともあって、燃料電池の実用化に向けた研究は、長い間放置されていました。実はグローブ卿は法律家で、ファラデーと親しいこともあり、このような新しい化学の実験を楽しんでいたようです。