WHAT'S THE ENERGY?

エネルギーそのものを理解するためには、物理学に触れてみる必要があります。ここでは、物理学を絡めたエネルギーの話をします。

■プロローグ

エネルギーには様々な形があります。

■電気エネルギー
電流などがもつエネルギーで、モーターを回して電車を走らせています。

■化学エネルギー
化学結合によって物質内に蓄えられるエネルギーで、エンジンを動かして自動車を走らせています。

■力学的エネルギー
運動エネルギーと位置エネルギーとの総和で、水力発電で電気を発生させたりします。摩擦熱も力学的エネルギーの一種です。

■熱エネルギー
物体の内部エネルギーのうち物体を構成する原子・分子の熱運動のエネルギーで、水などを温めたり冷ましたりしています。ゴミ焼却炉の近くに温水プールがあるのは、ゴミを燃やすときに発生する熱を利用してプールの水を温めているためです。それも熱エネルギーを利用している例の一つです。

■光エネルギー
光によって取り出された電流が仕事をし、物体に吸収されるとその物体の分子の運動を盛んにして、物体の温度を上昇させることによって得られるエネルギーです。太陽の光も光エネルギーの一種です。

■核エネルギー
原子核の崩壊や分裂によって得られることのできるエネルギーです。原子力発電が主な利用例です。

それぞれのエネルギーの間には、エネルギーの変換や保存の関係が成り立っています。摩擦によって力学的エネルギーが熱エネルギーに変換したり、電気分解は電気エネルギーを化学エネルギーに変換しています。ホタルは体内の化学エネルギーを光エネルギーに変えて発光しています。

様々な形のエネルギーは互いに移り変わることができ、エネルギーの変換においてはそれに関係したすべてのエネルギーの和が一定に保たれる、「エネルギー保存則」が成り立っています。例えて言うなら会計のようなもので、支出と収入が決算のときに等しくならなくてはなりません。エネルギー保存則には、力学的エネルギーの間では力学的エネルギー保存則が成り立ち、熱エネルギーだけに限られるのなら熱量の保存が成り立ちます。

力学的エネルギーとはどんなエネルギーなのでしょうか。まず運動エネルギーと位置エネルギーについてふれてみましょう。

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