ある物体がどんな仕事をする能力があるかは、エネルギーによって決まります。力学的エネルギーには、運動エネルギー、位置エネルギーの二種類があります。
動いている物体のエネルギーは運動エネルギーと呼ばれています。釘と金づちを例にとってみましょう。動いているのは金づちです。金づちが釘に当たると釘を板に打ち付けます。金づちが速い速度で釘に当たると、それだけ釘も強く圧されます。つまり、運動エネルギーは動いている物体の速度に左右されるのです。
では、重さを変えるとどうなるでしょうか。先ほど使用した金づちより小さいものを使ってみましょう。すると今度は前より釘が板に入り込みません。運動エネルギーは動いている物体の重さにも左右されるのです。
止まっている物体にはエネルギーは存在しないのでしょうか。一見するとそのようにも見えます。物体を持ち上げて見てください。すると持ち上げられた物体とその物体が落ちる床などとの間に高さが生まれます。これが位置エネルギーというものです。持ち上げられた物体にはすべて位置エネルギーを持っています。
先ほどの金づちを上に持ち上げて見ましょう。もし手を離したり緩めたりしたら、金づちは下に落ちます。こうして運動エネルギーを持つことになります。持ち上げられた金づちは、エネルギーを大事にしまっていたのです。だから、一見するとエネルギーが無いように見えたわけです。
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