トップページ > コウノトリと共生するには
かつて、日本中の大空を舞っていたコウノトリが野外から姿を消したのは、昭和40年代のことです。
そのコウノトリを日本の大空に再び羽ばたかせようという試みが行われています。
(コウノトリについては、プロフィールをご覧ください。)
絶滅した理由は、明治時代に狩猟の解禁により乱獲されて分布範囲が、但馬地域に限られ、その但馬では、第二次世界大戦中に営巣木である松の伐採や戦後の土地改良や河川改修による生息地の減少、また、有害物質の入った農薬の使用などによる餌の減少やその農薬によるコウノトリの健康障害などといわれています。
Tコウノトリの住める環境作り
- (1)田園の自然再生
- 今の田んぼは、増水して稲がだめにならないように、川との段差を高くしています。
しかしこれでは、コウノトリのえさの魚などが小川から田んぼに上がれません。だから、川などから、水田に、コウノトリの餌である魚が上がれるようにする魚道作りなどのことです。- (2)里山林の整備
- コウノトリの住処になる山の整備などのことです。
- (3)河川の自然再生
- コウノトリの餌の魚が円山川に住めるように、円山川を魚が住める自然の形にしていこうということです。
- (4)田園景観の整備
- コウノトリが飛んでいるとき、電線に引っかからないように電線を地面の中に埋めるなどです。
U放鳥するために
- (1)野生馴化
- 飼育しているコウノトリが野生で生活できるように、飛行、採餌などの生きるために必要なことができるようにすることです。
- (2)拠点整備
- コウノトリが広く分散・定着するために、拠点となる場所を作ることです。
- (3)環境評価
- コウノトリの位置などを発信機などで知り、コウノトリが生息可能な環境の生態調査をすることです。
- (4)研究
- コウノトリを放鳥して、コウノトリが自然界で、どのように生きていくかなどを研究していくことです。
以上のことが今、取り組まれています。
私たちに、何ができるのか。それは、コウノトリのことをもっとよく知ることです。
もうひとつは、食生活を見直して、無農薬の食べ物を食べる事です。
私達人間は、農薬を使っている食べ物を食べても、健康に影響はあまりありませんが、動物達にとって農薬は有害なのです。そしてたったひとつの生物が、農薬の影響で絶滅したら生態系がくずれてしまい、やがて私たちにも害がやってくるのです。
そのようなことになる前に、有害である農薬が使われていない食べ物を食べ、美しい自然と共生していくことが、私たちにできる唯一のことなのです。
このテーマであるコウノトリに例えると、農薬を使わないようにしていけば、餌も増え、コウノトリが住める環境になっていくのです。
私たちには、自然と共生していくために、いろいろとやらなければならないことがあるのです。
簡単に言えば、自然にやさしく、私たちの健康にも優しい生活をしていこうということなのです。
コウノトリは、現代の私たちに自然のことを考えようと教えてくれる道しるべだったのでしょう。