第三回〜静電気力


さあ、ようやく第三回です。
第一回、二回では動かない電気を静電気と呼ぶこと、物体どうしの接触によってそれが発生することを学びました。
第三回は電気の持つ性質についてです。
今回も元気にいきましょう。
はじめに簡単な実験をしてみます。
用意するものは塩化ビニル棒、アクリル定規、紙、絹布、そして回転台です。
なんかまたしてもよくわからないものが・・
今回の実験も読んで理解してくれるだけでいいんですが。
とりあえず、

「回転台って何!?」

って思っている人がいるかもしれないので説明しておきます。
回転台というのは・・まあ様々ですが
上に乗せた物が回転すれば何でもいいんです。
こんなかんじです。


<回転台>

啓林館さんの物理TBの教科書に簡易回転台の作り方が載っていたので、一応紹介しておきます。


<簡易回転台>

1,大型フェルトペンとフィルムケースを用意します。
2,大型フェルトペンにフィルムケースを乗せます。
3,回転させるものをセロハンテープなどでフィルムケースの上に固定します。
注意:フィルムケースの底部の凸部分をキャップに乗せてください。

・・結構適当ですね。
でも適当でいいんですよ。
こんなのでもぜんぜん問題ありません。


<回転台>

というわけで準備完了です。

 実験4

まず紙で塩化ビニル棒を、絹布でアクリル定規をそれぞれこすり合わせてみます。
このとき、ふたつの物体の中ではこんな変化が起きています。


<紙の中のマイナスの電気が塩化ビニル棒へ移る>


<アクリル定規の中のマイナスの電気が絹布へ移る>

こうすると、塩化ビニル棒や絹布は電子が増えてマイナスの電気を帯び、紙やアクリル定規は電子が減ってプラスの電気を帯びます。
これが帯電という現象である事は前回、既に学びました。
では実験開始です。
まず回転台に帯電させた塩化ビニル棒を固定し、同じ帯電させた塩化ビニル棒を近づけてみましょう。
さて、どうなるでしょうか?


<帯電させた塩化ビニル棒に帯電させた塩化ビニル棒を近づけると・・>

そうですね、回転台に乗っている塩化ビニル棒が近づけた塩化ビニル棒と反発してまわります。


<回転台に乗っている塩化ビニル棒がまわりはじめる(反発する力が働く)>

次に回転台に帯電させた塩化ビニル棒をのせ、同じく帯電させたアクリル定規を近づけてみましょう。


<帯電させた塩化ビニル棒に帯電させたアクリル定規を近づけると・・>

今度は逆に回転台に乗っている塩化ビニル棒が近づけたアクリル定規と引き合ってまわります。


<回転台に乗っている塩化ビニル棒がさっきとは逆にまわりはじめる(引き合う力が働く)>

このようにして電荷どうしの間にはたらく力のことを静電気力(クーロン力)といいます。
静電気が原因となって働く力だから、静電気力。
簡単ですよね?
静電気力の中でもお互いに反発する力を斥力、引き合う力を引力といいます。
また、静電気力の単位にはクーロンが用いられます。

さて、この実験によって次のことがわかります。
電気には

「同じ種類の電気はお互いに反発し合い、違う種類の電気はお互いに引き合う」

という性質がある。


<同種の電気は反発し合い、異種の電気は引き合う=静電気力が働く>

わかっていることかもしれませんがものすごく重要です。きっちり頭に入れておいて下さい。
さて、今回のポイントです。

<POINT> 静電気力によって同種の電気はお互いに反発し、異種の電気は引き合う。
        お互いに反発する力・・斥力
        引き合う力・・・・・・引力

こちらもあとで確認してみてください。→『実験編』『実験4 引力と斥力』
さあ、電荷の性質はもうわかったと思うので、次はもう一度帯電の話に戻ります。

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