第七回〜帯電列


さぁ〜て『学習編』、もう七回目ですね〜♪
これまで色々と学んできました!
第七回と八回では静電気に関する基礎的な知識というよりは、『実用編』に向けての予備知識を学習していきます。
ではいきましょうか!
今回は第二回で学んだ知識を深めていきましょう。
まずは今までやってきた実験を振り返ってみてください。

実験1 摩擦した物体とアルミホイルの反応
実験2 アクリル定規と水流の反応
実験3 はく検電器による帯電の実験
実験4 引力と斥力
実験5 導体と不導体
実験6 はく検電器による帯電の実験2
実験7 不導体にはたらく静電気力


う〜ん、色々やってきましたが、これまで触れていなかったことがあります。
まずは実験1〜4、6〜7で帯電させてきたふたつの物体に注目してください。

実験1では塩化ビニル棒と紙、アクリル定規と紙
実験2では塩化ビニル棒と紙
実験3では塩化ビニル棒と毛皮
実験4では塩化ビニル棒と紙、アクリル定規と絹布
実験6ではエボナイト棒と毛皮、ガラス棒と絹布
実験7ではアクリル定規と紙


をこすり合わせて帯電させてきました。

こすり合わせる物は同じものを用いつつ、たまにさりげな〜く変えているのに気がついてましたか?
そして、

塩化ビニル棒はマイナスに
アクリル定規はプラスに
エボナイト棒はマイナスに
ガラス棒はプラスに


それぞれ帯電しました。
(それぞれの実験でどちらに帯電したかは触れていないものもあります)
さて、ここで疑問が生じると思います。
ズバリ、

「物体はこすり合わせたらプラスとマイナスのどちらに帯電するのか」

ということです。
しかし、残念ながら絶対的な定理は存在しません。
実はある物体が別の物体と接触した時、その物体はいつもプラスだったりマイナスだったりに帯電するとは限らないのです。
そもそも物体がプラスに帯電するとか、マイナスに帯電するとかは、発生条件や周囲の環境によって多少は左右されるものだからです。
でもある程度の目安はあります。
下の表がそれです

帯電列
<帯電列>

何やら色々な物質名が並んでいますね。
左は毛皮やらガラスやらから始まり、右は塩化ビニールで終わっています。
このよくわからない物質の並びのことを帯電列といいます。
では帯電列とは何なんでしょうか?
帯電列とは不導体を接触させたりこすり合わせたりしたときにプラスに帯電しやすいものを左側(上位)に、マイナスに帯電しやすいものを右側(下位)に並べた配列のことをいいます。
ではもう一度上の配列を見てください。
紙とガラスをこすり合わせてみると、紙は右側にあるのでマイナスに、ガラスは左側にあるのでプラスに、それぞれ帯電します。
紙と塩化ビニールをこすり合わせると、今度は紙は左側にあるのでプラスに、塩化ビニールは右側にあるのでマイナスに、それぞれ帯電します。
一般に帯電列表の位置関係が遠い物質ほど大きな電気を発生し、そのことを利用すれば、静電気への対策ができます。
『実用編』『静電気の対処法』で詳しく解説しています。) これらのことははく検電器を使った実験で調べることができます。
以前と同じ実験方法なのでここでは取り上げませんが、時間があったら自分でやってみてください。

<POINT> 2種類の物体を摩擦したとき、プラスに帯電しやすいものを上位に、マイナ
       スに帯電しやすいものを下位に並べた序列の表を帯電列という


さて、今回はこのくらいにしておきましょう。
次回は日常生活での静電気の発生原因などを取り上げます。

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