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解決に向けて

 

③生分解性プラスチックの利用

全てのプラスチックを生分解性プラスチックにするべきでしょうか。
生分解性プラスチックは、最終的に二酸化炭素と水に分かれるという性質を持っていることから、可能ならば全てを生分解性プラスチックにするべきだという人もいると思います。しかし、私たちは、全てを生分解性プラスチックに変換しなくても良いのではないかという結論を出しました。
生分解性プラスチックにするかどうかのポイントは、
1.耐久性を必要としている用途かどうか
2.回収できているかどうか
の2つに分けられます。
表
図1.生分解性プラスチックにするかどうかのポイント  MRI 株式会社三菱総合研究所「生分解性プラスチックの課題と将来展望」をもとに作成

例えば、パソコンや家電製品などは、耐久性を必要としていて、プラスチックが分解されることはあってはならないですよね。このような製品の場合は、従来のプラスチックを使っていきます。現在、パソコンや家電製品などは回収できているので、引き続き適切な回収・処分を進めていくことが望ましいです。
一方で、耐久性を必要とせず、使用後に回収できていない用途は、生分解性プラスチックの置き換えを進めていくべきです。釣り糸や漁網などのごみ処理の工程を通ることがなく、そのまま海に流出してしまう製品は、生分解性プラスチックの置き換えを進めることが必要です。また、耐久性を必要としていないが、現在回収できている用途についても、生分解性に置き換えるメリットがあります。一例を挙げると、農業用のマルチフィルムなどです。農業用のマルチフィルムが生分解性に置き換えられれば、回収する手間も省くことができ、プラスチック製品のゴミを減らすことにもつながります。つまり、生分解性プラスチックにするメリットがある用途では生分解性プラスチックへの置き換えを進め、そうでない用途では回収・処理を適切に行うことが望ましいのです。