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活動記録  -フィールドワーク-

2019.5.17 環境省訪問

〈訪問先〉
環境省 水・大気環境局大気環境課 吉川 圭子様

〈伺ったこと〉
・リサイクルについて
使用済みのプラスチック製品をまた新たなプラスチック製品に生まれ変わらせるリサイクルですが、そこには様々な課題があることを学びました。
1.コスト面での課題
リサイクルでは、使用済みプラスチックを種類別に分別・回収した後に異物除去といった選別をする必要があり、集めたプラスチックを再度溶かして製品にするため、手間が多く、コストが高くなってしまいます。
2.リサイクルしやすいプラスチックの開発
様々な種類のプラスチックが混ざった製品はリサイクルすると質が下がってしまいます。添加剤などはリサイクルを妨げるのです。しかし、添加剤は燃焼を防ぐなどの役割を担っているため、簡単に抜けるわけではありません。リサイクルしやすいプラスチックの開発が必要となります。
3.リサイクルプラスチックの用途を広げる
リサイクル技術が進み、リサイクルプラスチックが普及しても、その用途がなければ意味がありません。技術開発とともに、リサイクルプラスチックの用途を考える必要があります。


・問題の捉え方
海洋生物に深刻な影響を与えている海洋プラスチックですが、その多くは誤って食べてしまうことによる窒息や栄養不足といった物理的な原因がもとになっていて、化学的原因は明らかとなっていません。化学物質がもつハザードの大きさがわからなければ、国としてプラスチックの成分に基準を作ることも難しくなります。プラスチック自体が化学物質として人や動物にどこまでの影響を及ぼすのか、具体的には、寿命に影響するのかなど、冷静になって問題を捉えることが大切であることを学びました。

環境省への訪問で、日本が抱える課題や問題に対する捉え方について学ぶことができました。

2019.5.17 OWS訪問

〈訪問先〉
特定非営利活動法人OWS(文中:OWS)横山耕作様
※OWSは、海と生き物とのふれあいを通して「自然に親しむ」「自然を学ぶ」「自然の大切さを伝える」活動を積極的に行っている、特定非営利活動法人です。


〈伺ったこと〉
・海や海に住む生き物たちの現状について
OWSは創立以来、北ハワイ諸島のミッドウェー環礁のごみ問題に注目して活動しており、ミッドウェー環礁で起こっているごみ問題について詳しく伺うことができました。コアホウドリのひなの中からプラスチックごみが発見された写真や、漁網に絡まってしまったアザラシの映像を見せていただきました。また、コアホウドリのひなから実際に取り出されたプラスチックごみ(写真左下)や、海岸で回収したプラスチックごみの実物(写真右下)も見せていただき、現状の深刻さを感じました。コアホウドリのひなから発見されたプラスチックごみは、思っていたよりも大きくとても驚きました。



・生分解性プラスチックについて
生分解性プラスチックは100%生分解性でなくても生分解性プラスチックとして世の中に出回っているということを学びました。私たちは、100%生分解性の物質でできているプラスチックが生分解性プラスチックとされていると考えていたので、とても驚きました。また、生分解性プラスチック自体は具体的な定義をされていない為、社会的に広まりにくくなっていることなども教えていただきました。

・プラスチックの処理について
国が、示しているリサイクル率のうち、60%は燃やして処理をするサーマルリサイクルだということや、ヨーロッパのコンポストシステムを日本でも積極的に導入することの可能性なども知ることができました。
今後の展望について、一般の消費者にとって実利性の見える解決策を考えることが、問題意識を社会全体に広め、海洋プラスチック問題の現状が改善していくことに繋がるということを学びました。OWSへの訪問は、海洋プラスチック問題に対しての問題意識を高め、私たちができることは何か、改めて考えるきっかけとなりました。

2019.9.10 植松光夫先生とのディスカッション

〈頂いたアドバイス〉
・高校生地球環境論文に提出した論文について
1.海洋プラスチック問題の本質
海洋プラスチック問題の解決のためには、プラスチックを使わないことが理想なのか、あるいはプラスチックを使っても海に流出させないことか理想なのか、問題の本質をきちんと見極める必要がある、とのアドバイスを頂きました。
2.調査方法について
インターネットで得られた情報を鵜呑みにするのではなく、元の論文を辿るなどしてより信憑性の高い情報を得ることが大切である、とご指摘頂きました。また、アンケートを取る際には、どの層を対象とするのか、職業や年齢層を熟考する必要があることも学びました。

2019.10.26 海岸ゴミ拾い参加

〈活動先〉
海をつくる会 代表:坂本昭夫様 @神奈川県横浜市 野島公園前浜
〈感じたこと〉
台風19号のあとだったということもあり、ゴミが砂浜に大量に上がっていました。私たちは主にビニール片と発泡スチロールを拾いました。2時間程の活動だったのですが、ゴミを分別するまでの間、ほとんど顔を上げる時間はないほどたくさんのごみが落ちていて驚きました。打ち上げられたごみを見ると、無数のプラスチックのかけらがあり、海洋プラスチック問題をより身近に感じることができました。

海をつくる会 ブログ 2019.10.31
海をつくる会 ホームページ

2019.12.3 植松光夫先生とのディスカッション

〈頂いたアドバイス〉
・ウェブコンテストに提出したウェブについて
1.オリジナリティの部分
私達のウェブにしかないオリジナルの部分を増やすことで、海洋ゴミを扱っている他のウェブとの差別化を図り、多くの方に見て頂けるのではないか、とのアドバイスを頂きました。
2.多角的な視点
プラスチックを不必要に作らない方向の視点からだけではなく、海に流れるプラスチックごみを減らす方向の視点からも考えてみてはどうか、とのご提案を頂きました。また国内だけに着目するのでなく、プラスチックごみの流出量が多いアジア諸国についても考えることが必要だとわかりました。
3.ウェブについて
項目などが見にくいグラフ、内容がわかりづらいタイトルがあるとご指摘頂き、修正をしました。またウェブの中で私達の活動の目的が食い違っているところがあったため、文章を変更しました。

・2月1日のフォーラムについて
高校生ならではの、海洋ごみ問題についての考え方や解決方法を中心にした発表が望ましい、とアドバイス頂きました。また、プラスチックを製造する企業などに訪問することも検討しました。