農薬のきまり : 規制と実態

「きまりは本当に守られているの?」

基準があっても、それが守られているかどうか心配な人もいると思います。 そこで防除日誌というものを紹介します。

現在、基準値を守るために組織による様々な取り組みが行われています。
そのうちの一つが防除日誌です。
防除日誌は農家が使用した農薬を記録することで、作物の安全性を一般の人々に発信するためにつくられました。
これには、使った農薬の名前、量、濃度などが細かく記録されています。防除日誌は、誰でも農協グループのホームページから見ることができます。

現在この取り組みは、農協グループや市が呼びかけることで農家の協力を得て、成果が上がりつつあります。

それでも、防除日誌で全ての農家が基準を守っているか確認することは難しいというのが現状です。しかし、防除日誌があることで、農家にとっては農薬の過剰使用を防いだり、作物の安全性を示したりすることに繋がります。

消費者にとっては作物の生育過程を確認することができるので、より安心感が増すのではないのでしょうか。

「どのように安全性をチェックしているの?」

防除日誌のような農家自身が行っている取り組みだけでなく、国としても安全性を監視する制度があります。
まず、使用方法が守られているかチェックするために毎年全国約4700農家が選ばれ、農政局地域センターの職員によって点検されています。また、対象になっていない農家でも、必要に応じて立ち入り検査が行われます。

そして、残留農薬についても都道府県の保健所で検査があります。残留基準値を超えた場合には食品衛生法に基づき、その農作物は回収破棄されます。そして、基準値を超えた原因を知るために都道府県農業部局という組織が調査をし、その調査結果をもとに指導が行われます。

〈国が行っている調査の例〉

・農林水産省が毎年実施している国内産農産物における農薬の使用状況及び残留状況調査の結果について 平成29年度)

農薬必要量

農林水産省HPより引用


・厚生労働省が実施した平成27年度食品中の残留農薬等検査結果について

農薬必要量

厚生労働省HPより引用

このように、日本では使用する農薬にきまりがあり、それを監視し、守るための取り組みが行われるなど、作物の安全性を保つ仕組みが整っています。


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