雇用対策法

雇用対策法は現在、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」と呼ばれており、求職者が年齢ではなく、その能力や適性に応じて職場を得ることができることを目的とした法律です。

少子高齢化による人口構造の変化などの経済社会情勢の変化に対応して、労働者が有する能力を発揮できるようにすることで労働者の職業の安定と経済的・社会的な地位の向上を図ることを目指しています。さらに、経済及び社会の発展並びに労働力の需要・供給の均衡を促し、完全雇用を達成すること、また、労働者の能力を活かし、労働者の生活の安定、すなわち経済的・社会的地位の向上に繋げることで経済全体の発展を目的としています。

雇用対策法に基づき、職業訓練法の改正・雇用保険法の成立がなされるなど、雇用の安定や促進に繋がる政策が行われています。働き方改革の一環として、近年これらの法律の改正が進められてきました。

2018年7月6日、名称が雇用対策法(1966年制定)から「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」に変更され、内容の一部も改訂されました。

労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律は第一条において、国が自ら人口問題などの様々な分野から、雇用対策を行うことが定められています。

第一条 この法律は、国が、少子高齢化による人口構造の変化等の経済社会情勢の変化に対応して、労働に関し、その政策全般にわたり、必要な施策を総合的に講ずることにより、労働市場の機能が適切に発揮され、労働者の多様な事情に応じた雇用の安定及び職業生活の充実並びに労働生産性の向上を促進して、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、これを通じて、労働者の職業の安定と経済的社会的地位の向上とを図るとともに、経済及び社会の発展並びに完全雇用の達成に資することを目的とする。

第四条 国は、第一条第一項の目的を達成するため、前条に規定する基本的理念に従つて、次に掲げる事項について、必要な施策を総合的に講じなければならない。

一 各人が生活との調和を保ちつつその意欲及び能力に応じて就業することを促進するため、労働時間の短縮その他の労働条件の改善、多様な就業形態の普及及び雇用形態又は就業形態の異なる労働者の間の均衡のとれた待遇の確保に関する施策を充実すること。

二 各人がその有する能力に適合する職業に就くことをあつせんするため、及び産業の必要とする労働力を充足するため、職業指導及び職業紹介に関する施策を充実すること。

三 各人がその有する能力に適し、かつ、技術の進歩、産業構造の変動等に即応した技能及びこれに関する知識を習得し、これらにふさわしい評価を受けることを促進するため、職業訓練及び職業能力検定に関する施策を充実すること。

まとめ

「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」では社会情勢の変化の中で、労働者の職業の安定と経済的・社会的な地位の向上を図ることを目的としている。