残業

日本では、法律で労働者に残業をさせる場合、職場の過半数の労働者で構成される労働組合と36協定を結ぶ必要があります。この協定が雇用側と労働者の間で結ばれていなければ、従業員に残業の命令が出せません。もちろん、この協定が結ばれていない状況下での残業は違法です。

しかし、この36協定が結ばれている企業でも残業が違法になるケースも存在します。近年違反していることが明るみに出ることが多く、社会問題となっています。

具体的には以下の3つのケースがあります。

  1. 月45時間の上限を超えた長時間残業をしている
  2. 特殊な36協定を結んでいるものの、年6回を超えて、月45時間を超えた残業をしている
  3. 残業によって著しい不利益を被った

まず、36協定があっても残業時間に制限が設けられます。具体的には週15時間月45時間が上限となっており、それを超える残業は違法となります。また、特殊な36協定を結ぶと残業時間の上限の延長が可能となりますが、それは年間6ヶ月までとなっておりそれを超えた月数延長した場合も違法となります。

以上の条件が満たされている場合でも、労働者が残業によって著しく被害を被る可能性が高い場合は違法となる場合があります。例えば、妊娠している労働者や労働者が家族の介護、育児が必要だったりするときなどは、自分や家族の身体・生命に関わるため、残業の強制は認められません。

しかし、36協定の存在が足かせとなり、残業代が支払われないサービス残業の状態を助長させる場合があります。例えば、36協定で1日2.5時間、月40時間までと定められていた場合、 残業時間がその規定を超えてはいけません。しかし、この上限まで働かせても仕事が終わらない場合、タイムカードを切った状態で残業を行うことになります。タイムカードを切ってしまっているため残業代は支払われず、上司に抗議すると左遷されるという板挟み状況になってしまいます。出世を前提とし将来役員などになる可能性の高い中間管理総合職がこの状況に最も付け込まれやすいと言われています。

まとめ

残業を行わせる場合、会社は労働組合と36協定を結ばなくてはならない
36協定を結んでも、労働者の権利を損ねた場合、違法になることもある。