人間は寝ないとどうなるのか?

私たち人間の生活にとって睡眠はとても重要な要素であり、不足すると日中の生活にも大きな悪影響を及ぼします。ここでは、睡眠の不足が私たちの生活に及ぼす影響と、「睡眠負債」について紹介します。

睡眠負債とは

睡眠負債とは、蓄積された睡眠不足のことを、借金に例えて名付けられたものです。人間が必要とする睡眠時間は、個人差があるものの8時間程度であるとされています。実際の睡眠時間が、その人の必要とする睡眠時間に足りていないと、「睡眠不足」が溜まっていき、それが蓄積されると「睡眠負債」となるのです。例として、必要とされる睡眠負債が8時間の人が、毎日6時間の睡眠をとっていたとします。この場合、1日に蓄積される睡眠負債は2時間で、5日間では10時間の睡眠負債を生み出してしまいます。このように、毎日の睡眠時間がわずかに必要な睡眠時間に達していないような場合でも、睡眠負債は雪だるま式に増えていきます。

睡眠負債を解消するには

睡眠負債は、その人の必要な睡眠時間以上に睡眠をとることで解消していきます。3時間の睡眠負債を抱えている場合、1日で解消するには11(8+3)時間の睡眠をとることで、睡眠負債が解消します。

睡眠負債を溜め込んでしまうと

睡眠負債を溜め込んでしまうと、様々な睡眠障害につながってしまう場合があります。他にも、日中に疲労感や眠気を感じたり、集中力が低下したりすることがあります。

アメリカ・ペンシルベニア大学などの研究チームは、被験者を1日6時間の睡眠をとるグループと徹夜を続けるグループに分け、注意力と集中力がどのように変化するのかを記録する実験を行いました。

徹夜をし続けるグループでは、実験1~2日目にかけてテストの成績が急激に下落しており、大幅な睡眠不足が日常生活における注意力・集中力の欠如をもたらすことが分かります。一方、6時間の睡眠をとり続けるグループでは、実験1~2日目のテストの成績に大きな変化は見られず、その後少しずつ成績が低下していきました。そして、実験開始から2週間経った頃には、テストの成績が徹夜のグループの実験2日目相当まで低下してしまいました。これは、「6時間睡眠を2週間続けた時の脳の状態は、徹夜を2日間続けた時とほぼ同等」ということであり、睡眠負債の蓄積は、日常生活に大きな悪影響を与えるという事が分かります。加えて、6時間睡眠を続けたグループは、被験者が自らの脳機能の低下に気づいていない場合もあったことから、睡眠負債が蓄積して注意力・集中力が低下した場合、自覚をしづらいとも言えます。

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