睡眠と食事の関係

食事と体内リズムは深い関係にあり、睡眠との関係も深いといえます。そうした、食事と睡眠の関係について説明します。

食事のリズムと睡眠

快適で質の高い睡眠を取るためには、就寝の4時間前最低でも2時間前には夕食を取る必要があります。食事の直後には、胃や腸が活発に消化活動をし、この時間帯に眠ってしまうと、快適で質の高い睡眠を取ることが難しくなってしまいます。仕事や外出の時間が長引き、食事と就寝との間に時間を確保することが難しい場合は、消化に良いものを食べるようにしたり、夕方ごろに間食を取るようにして、就寝前に食べる食事の量を減らしたりすることで、快適で質の高い睡眠への妨げを軽減することができます。また、現代人は、朝食や昼食を食べなかったり、軽くしたりして、夕食を多めに取る傾向があると言われています。しかし、昼食を比較的多めにし、夕食はあまり多すぎないほうが、快適で質の高い睡眠のためには適当です。これは、睡眠中の消化器官への負担を軽減するためで、睡眠中に消化器官に負担がかかると、快適で質の高い睡眠の妨げになってしまいます。

睡眠にとって、プラスに働く栄養素

食事に含まれる栄養も、睡眠に関わってきます。現代人は、比較的、炭水化物が多く、タンパク質が少ない食生活を送っていると言われていますが、快適で質の高い睡眠のためには、カロリーベースで炭水化物:脂肪:タンパク質=6:2:2の食事が理想です。

炭水化物を摂りすぎると、成長ホルモンの分泌を抑制してしまいます。成長ホルモンの分泌の促進には、適量のタンパク質の摂取が欠かせません。また、朝食には、必須アミノ酸の1つである、「トリプトファン」が含まれている食品を取ることが望ましいです。トリプトファンは、牛乳・バナナ・アボカド・肉類・たらこなどに含まれており、脳内で働く、神経伝達物質の「セロトニン」になります。これが、夜には催眠作用のあるホルモン、「メラトニン」になります。朝食で「トリプトファン」が含まれている食品を食べることは、睡眠の質の向上に役立ちます。また、夕食では、「グリシン」というアミノ酸が含まれている食品を食べることが、睡眠の質の向上に役立ちます。グリシンは、脳の体内時計に作用し、睡眠リズムを調整する働きがあると考えられており、睡眠に問題がある人に、就寝30分前に3グラムのグリシンを摂ってもらったところ、朝はすっきりと起き、日中の作業効率も良くなったという研究結果もあります。グリシンは、エビ・ホタテ・イカ・カニ・カジキマグロなどに含まれています。

睡眠にとって、マイナスに働く栄養素

睡眠に有益な栄養素もあれば、マイナスに作用する栄養素もあります。カフェインもその1つです。カフェインは、コーヒーや、多くのエナジードリンクなどによく含まれており、興奮作用があります。このため、睡眠前の摂取は好ましくありません。若い人は就寝の1〜2時間前、高齢者の場合は4〜5時間前には、摂取を控えるようにしましょう。就寝前に飲む飲み物には、麦茶やハーブティー、カフェインレスのコーヒなどが良いです。また、睡眠薬の代わりに就寝前に飲む人もいる、アルコール飲料にも注意が必要です。アルコール飲料は、催眠作用があり、脳の覚醒中枢を麻痺させるので、少量なら寝つきが良くなり、深い眠りを取りやすくなりますが、アルコール飲料を飲み過ぎると、睡眠の途中で目覚めやすくなったり、明け方の眠りが浅くなってしまったりします。就寝前のアルコールは、日本酒なら1合、ビールなら500ml缶1本、ワインならグラス2杯までにしましょう。また、睡眠前のタバコにも要注意です。タバコに含まれるニコチンは、刺激剤として作用し、快適で質の高い睡眠の妨げになってしまいます。就寝前の一服は控えましょう。
戻る
Copyright(C)2019 Sleepia All Rights Reserved.
このサイトは第22回全国中学高校Webコンテストに参加しています。