未来インバウンド

 

日本の全国での取り組み

日本では今、全国的に外国人観光客への対策が進んでいます。各地の伝統文化を生かした対策はもちろん、全国に分布しているチェーン店や、コンビニエンスストアなどでも対策が行われています。

コンビニエンスストア

全国に分布しているコンビニエンスストア。そんなコンビニエンスストアでは様々な、外国人に向けての対策が行われています。
1つ目は外国語対応。今までにも翻訳会社を通して店員と会話するサービスや、外国人対応の定型文パンフレットなどが使われてきましたが、最近ではスマートフォンなどを翻訳機代わりにしたり、携帯用の翻訳機が出てくるなど、より店員とのコミュニケーションが容易にとれるようになってきています。
2つ目は外国人向けのお土産コーナーを作ること。そのコンビニエンスストアがある地域の特産物を置くなど、それぞれの地域の特色を生かした工夫を行っています。
3つ目は、品ぞろえを増やすこと。品物の種類を定期的に変えることで、短期旅行の訪日外国人観光客でも多種多様な品物を楽しめます。また、ホットスナック類の種類が豊富なので、朝や夜に軽く食事をするには最適です。他にも傘などの日用品が置いてあるので、スーパーなどに探しに行かなくても大丈夫という利点もあります。このことは必ずしもインバウンド対策として行われているというわけではありませんが、海外のコンビニエンストアではあまり見られない対応なので、外国人には珍しく、安いお金で日本の食べ物などを買えることもあり、でとても好ましく受け止められているそうです。
このように、身近なコンビニエンスストアでは、いろいろな対策が行われています。

コンビニエンスストア
コンビニエンスストア/写真提供(株)セブンイレブン・ジャパン

空港

空港では外国語表記はもちろん、様々な国の言葉に対応できるよう外国人を多く雇用しています。また、外国人向けの施設や体験型イベントなども行なっています。その中でも、日本人でも楽しめるほどの大型日本施設を持っているのが羽田空港です。
羽田空港の国際線ターミナルでは、日本の江戸小路や羽田空港内が一望できる「日本橋」があります。江戸の街並みを精密に再現した江戸小路では、日本の伝統工芸品を売っているお店や人気の高いお土産を集めて売るお店、入れたての抹茶が楽しめるカフェなど、様々な日本ならではの雑貨やお土産、食べ物を楽しむことができます。また、旅客ターミナル内でも、日本のアニメを使ったお土産や、歌舞伎の衣装や日本のけん玉などを楽しめたりする体験型コーナーがあります。他にも体験型イベントでは着物の試着など、訪日外国人観光客が楽しめる工夫がたくさんなされています。
このように、日常で使うお店や施設も、インバウンド需要を増やすための工夫が所々に散りばめられているのです。

羽田空港内
(羽田空港にてチームメンバーが撮影)

交通機関での対策

日本の交通機関では東京オリンピックに向けて訪日外国人観光客ツアーを行うなどしています。観光客ツアーはバスで都心部の名所を回るツアーの他に、船上で夜のイルミネーションに合わせて回るツアーなど外国人観光客が普通の旅行では見ることのできないコースを作ることで、インバウンド需要をあげています。しかし、インバウンド対策をしているのは乗り物だけではありません。
高速道路では標識に英語表記を入れたり、国土交通省の政策である、一定の期間であれば一定のお金で高速道路が乗り放題のプランなどの取り組みが行われています。また、パーキングエリアでは外国人向けのお土産や、翻訳機能がついたタブレットを導入し、より外国人観光客が頻繁に使えるようにしています。

交通機関のインバウンド対策
交通標識(京都府にてチームメンバーが撮影)

まとめ

日本全国では上記に書いた通り、訪日外国人観光客に向けて様々な取り組み、工夫がされています。取り組みが進み、日本へ旅行をしに来る外国人観光客が増えた一方で問題も起こってきています。
それは、日本人の仕事が外国人にとられていること。日本語を話せ、母国語である外国語も話せる外国人はインバウンド需要が増す中、接客の面において、とても優秀な存在です。しかしその一方で日本人雇用者が解雇されているのことも事実です。それらの対応をどうするか、が今後の日本の産業を支える鍵となるかもしれません。
そんな問題を抱えている日本ですが、東京オリンピックを控える今、日本のインバウンド対策はより加速し発展していっています。より、外国人に親しんでもらえる日本になるために、これからは外国人の目になって物を見る、視野を広げることが必要になってくるかもしれません。