周波数の実験

前のページで、周波数によって性質が異なることを解説しました。ここでは、電波と似た性質を持つ音波を使い、周波数の性質の違いを確かめます。

実験①　

目的

この実験では、波の周波数が高いほうが遠くまで届きづらいという性質を確かめます。

実験方法

1. スピーカーとマイクを約1m離し、至近距離での高周波数と低周波数の音量が同じになるよう、スピーカーのボリュームを調整します。



2. スピーカーから25m離れた場所にマイクを移動させます。



3. スピーカーから250Hz・2500Hzの音をそれぞれ流します。

250Hz　※音量に注意してください。




2500Hz　※音量に注意してください。

4. マイクで音波を観測し、どちらの波形の 振幅 振幅 波の大きさを表す言葉。波のふり幅。 が大きくなるか比べます。

結果

• 250Hz

  

• 2500Hz

  

このように、高い周波数（2500Hz）の方が低い周波数（250Hz）よりも音が小さくなっていることが分かります。

実験②

目的

次に、波の周波数が高いほうが障害物にさえぎられやすいということを確かめます。

実験方法

1. スピーカーとマイクをドアを挟んで設置します。



2. ドアを閉めた状態で、スピーカーから250Hz・2500Hzの音を同じ音量でそれぞれ流します。



3. マイクで音波を観測し、どちらの波形の 振幅 振幅 波の大きさを表す言葉。波のふり幅。 が大きくなるか比べます。

結果

• 250Hz

  

• 2500Hz

  

このようにドアを挟んで音を観測すると、高い周波数（2500Hz）の方が低い周波数（250Hz）より, ドア越しの音量が小さくなっていることが分かります。

考察

これらの実験から、周波数が低い音のほうが、高い音よりも遠くまで届き、障害物も通り抜けやすいということが確認できました。

この実験の結果は、電波にも当てはまります。5Gで使われる「 ミリ波 ミリ波 30～300GHzの周波数の電波のこと。 」は周波数が高いため、電波が遠くまで届きづらく、また障害物によってさえぎられやすいのです。そのため、 電波基地局 基地局 インターネットなどのデータを電波に変換してスマホなどに送信するための施設。 を狭い間隔で設置しなければなりません。