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献血

みんなのために献血

日本赤十字社九州ブロック血液センターに見学に行きました

ヒトABO式血液型

同種抗原の一つで、血液中の赤血球に含まれる赤血球の抗原や抗体(免疫グロブリン)の種類によって血液型を判定します。全ての血液型に共通して存在するH抗原は、ヒトの赤血球に特異的でほかの霊長類には存在しません。このような場合を種特異性があるといいます。また、同じ人間の中でも、ABO血液型では、それぞれの人は異なる型を持っており、このような場合を同種特異性があるといいます。
赤血球の細胞膜には表面抗原が250種類以上も存在しますが、その中の代表的な抗原がA型、B型、H型です。血液型をA,B,Oと命名したのはあくまで便宜上であり、O型の人の表面抗原はH型(O型ではない)になります。

それぞれの血液型について
それぞれの血液中には自分の型以外の赤血球抗原に反応する抗体が存在しています。
A型 :赤血球の表面にA・H型抗原がある(抗B抗体を持つ)
B型 :赤血球の表面にB・H型抗原がある(抗A抗体を持つ)
AB型:赤血球の表面にA・B・H型抗原がある(抗A抗体も抗B抗体も持たない)
O型 :赤血球の表面にH型抗原がある(抗A・抗B抗体を持つ)

一般に、O型血液はどの血液型にも輸血できるとされていました。しかしこれは輸血する血液量が少ないと、その抗体の相手の赤血球に対する影響が小さいためで、現在は、輸血は血液型の一致が原則です。

免疫グロブリン製剤

現在、献血の過半数はくすりの原料として使われています。
血液から作られる免疫グロブリン製剤は、神経系の病気の治療で使われており、献血の必要性はより高まっています。
なぜ効果があるのかははっきりとは分かっていない免疫グロブリン製剤ですが、古くから様々な病気の治療に使われおり、無くてはならない存在です。
しかし、血液から作られているため、ウイルス感染などの可能性はゼロではありません。
液状加熱処理やウイルス除去膜処理、酸性処理などの安全対策を行っているため、今までウイルス感染は確認されていません。

HIVと献血

HIV検査の目的での献血をする人が一定数存在すると言われています。
献血された血液は各地の血液センターでHIVの有無を調べるために二重の検査を受けますが、血中のHIVの量が極めて少ない感染初期では検査をすり抜ける可能性もゼロではありません。
検査をすり抜けHIVの混じった血液が輸血に使われた場合、輸血を受けた人がHIVに感染する可能性があります。
実際に輸血によってHIVが他人に感染した事例も存在します。
HIVは感染すると無症状の期間が長く続いた後、免疫の機能を低下させ、健康な人であれば重症化しないような病気でも重症化する状態になったり、悪性腫瘍、神経障害などの様々な病気を引き起こします。
そして根治は極めて困難とされています。検査で完璧にHIVの混入を防ぐことはできません。
だからこそHIV検査目的の献血は絶対にしてはいけません。また検査目的の献血を防止するために献血者に対しHIVが検知されたことの通知は行われないことになっています。
また、最近では各地の保健所などHIV検査を匿名で受けられる場所も増えつつあります。
献血はHIV検査には役に立ちませんし、HIVの患者さんを増やしてしまうことにもつながる可能性があります。
これは社会の一員として責任を持ち、守るべきルールではないでしょうか。

まとめ