むかしむかし、神様かみさま世界中さかいじゅうものをつくったのですが、
 どの生き物もつくったばかりで、なにをべさせるかまだきめていませんでした。

 生き物たちはなにを食べていいのかわからないので、おなかがペコペコです。

 そこで生き物たちは、かわるがわる神様のところへ行って、
「はやく、ものをきめてください」
 と、おねがいしました。

 すると、神様が、
「あしたのあさ、食べ物をきめてやるから、みんなあつまるように」
 と、おふれをだしました。

 よろこんだ生き物たちは、よるのあけるのをまって、神様のところへでかけました。

 さて、ヘビがノロノロとはっていると、うしろからカエルがやってきました。
「なんだなんだ、じべたをノロノロとみっともない。もうすこしはやくすすめないのかね」
「そんなこと言っても、おなかがすいて、目がくらみそうだよ」
 ヘビがちからのないこえいました。
「ふん。そんなにノロノロしていては、ひるになってしまうぞ。
 まあ、おまえはあとからやってきて、おれのおしりでもなめるんだな」
 カエルはヘビをバカにして、ピョンピョンとんでいきました。

 生き物がみんなあつまると、神様はつぎつぎによびだして、それぞれの食べ物をきめました。

 でも、カエルは、なかなかよばれません。

 おこったカエルは、神様のまえにとびだして言いました。
「はやくわたしの食べ物をきめてください。わたしがいちばんさきにやってきたのですよ」

 神様は、うるさいカエルをジロリと見て言いました。
「よし、おまえはむしを食べるがよい」
「えっ?わたしの食べ物は虫ですか!?」
 カエルは、ガッカリです。

 それでも食べ物がきまったので、ホッとしてかえろうとすると、神様が言いました。

「まて。おまえにはもうすこし言うことがある。
 おまえはここへくるとき、ヘビをバカにして、おしりでもなめろと言ったであろう」
「まあたしかに。だってそれは、ヘビがあまりにもノロマですから」
「言いわけはよろしい。のぞみどおりに、これからはヘビにおまえのしりをなめてもらうことにしよう」
「とっ 、とんでもない!」
 カエルはビックリして反対はんたいしましたが、神様はゆるしてくれません。
 そのときから、ヘビはカエルを見つけると、すぐにおしりからのみこんでしまうのです。

 おしまい