さて最後の方式、磁界共鳴方式についての説明をしていきます。
磁界って言うと電磁誘導方式にも出てきたような?
お、するどいね。
実は磁界共鳴方式の距離を極限まで近づけると磁界共鳴方式と全く同じなんだよ。
つ、つまりどういうことで?
磁界共鳴方式でも磁界を用いて電気を伝えるわけだけど。
磁界を共鳴させることで電気を伝えているんだ。
ごく至近距離で共鳴を起こそうと考えてみて?
共鳴以前に電流が流れて磁界を形成した時点で、
その磁界の影響でもう一方は電磁誘導を起こすでしょ?
わかったような、わからないような?
とりあえず動画があるからそれも見てみようか。
この動画を見て何かわかったかな?
これが磁界共鳴方式の実験なんですか。
なんかいろいろなところに手で持った電球が移動してたり、
左側のコイルの近くにある2つの電球がつきっぱなしだったな。
いえ、よく見ると電球のソケットみたいな部分はコイルになってたわ。
きっとそこでも共鳴しているんだと思うわ。
あとは電球の色くらい?
Rさんがするどい意見を出してくれたね。
よく見るとコイルが何回も巻かれているんだ。
磁界共鳴方式では共鳴するコイルが磁界を発生させているコイルの近くにある場合、
共鳴が発生する範囲内に受電側のコイルがあるだけで電力が供給されるんだ。
つまり、範囲内にコイルがあれば共鳴を起こして受電できる、
共鳴は一対一で起こるわけではないから、複数への給電が可能なんですね。
そのとおり!
まあ、欠点があって、共鳴させただけそれぞれへ供給される電力が少なくなる。
動画をもう一度眺めて欲しいんだけど……
動画の最後の方に電球が2つ付いている基板にズームしているね。
この赤い方の電球が実は供給されてる電力の量がわかるように付けられたものなんです。
手で持っている電球を共鳴の範囲にかざすと……
ほら、赤い方の光がほんの少し小さくなるでしょ?
あ、ホントですね。
気が付かなかったなぁ。
まあ言われないと気づかないね。
でもRさんの推察はほぼあってたからすごいよ。
最後になるけどこの中継コイルのはなしをしよう。
共鳴が起これば電気が供給されるっていう話だったけど、
それが電力の受電が目的ではない、ただのコイルだった場合。
このコイルは中継の役目を果たすようになるんだ。
ビデオを見てもらおうか。
共鳴を繰り返すたびに少しずつロスが発生するけどこれを使えば距離を稼げるんだ。
共鳴したものが共鳴してその共鳴したものがまた共鳴させるって言うのを繰り返すのか。
なんかこの方式が一番いろいろとイジる部分がありそうですね。
磁界を発生させるコイル、中継コイル、受電側の機器……
先にも言ったとおり、新しい方式だからね。
まだまだ改善点も多いんだろうね。
あ、そういえばゲストに来ていただく人もこの分野に関する技術の研究をしているんだ。
楽しみにしていてね。
では今回はこれまでです。
次回はメリットがたくさん出てきたワイヤレス給電の問題点や課題についてお話します。