温泉の定義
別表
温泉の定義は、温泉法によってきっちり定められています。
地下から湧出する温水の中で、25度以上で、特定の成分を一定量以上含むものを温泉と言います。
温泉法 第二条
この法律で「温泉」とは、地中からゆう出する温水、
鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、
別表に掲げる温度又は物質を有するものをいう。
日本の温泉事情
温泉
1970年代の調査によると、日本に温泉は2200以上ありました。
その後、温泉の数はどんどん増え続け、
環境省によると宿泊地のある温泉地数は約3000、泉源数は約28000、温泉施設は約21000にも及びます。
ドイツ、イタリア、スペイン、フランスなどにはそれぞれ100~300の温泉地があり、
ヨーロッパ全体で約1500なのだそうです。
ですので、日本の温泉利用がかなり多いということは一目瞭然ですね。
火山性温泉と非火山性温泉
温泉には火山性温泉と非火山性温泉があります。
この二つは熱源の違いによって分けられます。
この二つについて詳しく見ていきましょう。
火山性温泉
火山性温泉はマグマが熱源となる温泉です。
火山性の温泉は、雨などにマグマから放出されたガス成分が加わり、
さらに周囲の岩石や地層から様々な成分を溶かし込んだ高温の熱水が起源です。
マグマは非常に高温なので、熱水も非常に熱くなります。
温度が約370度以上の熱水は、「超臨界状態」になっています。
超臨界状態とは、水(液体)と水蒸気(気体)の両方の性質をもった状態のことです。
この状態では非常にたくさんの成分が熱水中に溶けることができます。
ところが、地表に近づいて温度が下がると、熱水は超臨界状態ではいられなくしまい、
液体と気体に分かれてしまします。
水には水溶性の食塩、炭酸水素イオン、金属イオンなどが溶け込み、
ガスには硫化水素、二酸化炭素、塩化水素などが溶け込みます。
そのガスは地下水などに溶け込むことができるので、強酸性の温泉を作ります。
それに対して、水溶性成分の多い水は、弱アルカリ性の食塩泉となります。
単純化すると、温泉のもととなる噴気地帯から離れれるに従って、泉質は、
酸性泉~酸性硫黄泉、強酸性硫黄塩泉、酸性硫酸塩戦、弱酸性~中性硫黄塩泉、アルカリ性炭酸水素塩泉
というような分布をします。
たとえば大分県別府温泉では、噴気地帯から海岸までこのような多様な泉質の温泉が見られます。
これらのことから、火山性温泉には食塩が含まれていますが、
この食塩は決して海水からもたらされたものではないということはわかりますね。
マグマから分離した水にはもともと食塩が多量に含まれているということです。
非火山性温泉
非火山性温泉は地温によって暖められた温泉のことを言います。
これらの多くはかつての海水や地下水が地層の中に閉じ込められて、地温によって暖められたものです。
また、地層中にたくさんの有機物が含まれている場合は、濃い色の「黒湯」となることもあります。
東京湾のまわりにはこのタイプの温泉が多く見られます。