Space Debris ~秒速8kmの先へ~

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スペースデブリってなに?

デブリとは?


「エンデバーこちらミッションコントロール、衝突回避のため5分間はカウントダウンの再開ができません」

これは、若田光一さんが乗り込んだスペースシャトル、STS 72(エンデバー号)の打ち上げのときに
実際に発生したことです。


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若田光一(wikimediacommons)


打ち上げを見守っていた人たちの表情は不安に曇りました。
幸い、5分間のホールドの後、カウントダウンは無事に再開され、打ち上げられました。
この原因となったのが、宇宙に漂うゴミ、『スペースデブリ』です。
『スペースデブリ』、正式名書は『space debris』。略されて『デブリ』と呼ばれることもあります。
『デブリ』とはフランス語で『破片』という意味を表します。『スペースデブリ』は、そのままの意味、『宇宙のゴミ』を表します。

宇宙での衝突は、地上でおこる自動車事故などに比べて桁違いにスピードが大きいです。
例えば、ソフトボールほどの大きさのものでも、衝突すれば大惨事となります。
もし、スペースデブリが人工衛星や宇宙ステーションなどの有人施設と衝突すれば、これは大変なことです。スペースデブリの速度は秒速8km、高速事故でおこる事故の場合よりも400倍も大きいです。
もっと言えば、ライフル弾の速度が秒速1kmなので、その速度よりも8倍速いということです。
わずか直径1cmの金属片でも、乗用車が衝突するのと同じエネルギーを持っているのです。とんでもないですね。

 
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衝突痕(wikimediacommons)


そして、1996年7月26日、恐れていた事態がついに起きました。
ひとつのスペースデブリが人工衛星に衝突し、その衛星の一部をもぎ取ってしまったのです。
それまで、人工衛星の表面にくぼみを作ったことはありましたが、電波を出している衛星が壊されたのはこれが初めてでした。これが悲劇の幕開けだったのかもしれません。



人間は宇宙で生きて行けるのか

 


ロケットの原理を初めて科学的に解き明かしたのは、ロシアのコンスタンティン・ツィオル・コフスキーでした。実際に本格的なロケットを開発し、飛ばしたのは、ドイツのヴェルナー・フォン・ブラウンでした。

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ヴェルナー・フォン・ブラウン(wikimediacommons)


ロケットという宇宙へ出る手段を手に入れた後、人類は考えます。
「人類は宇宙に出ても生きていけるのだろうか」と。
まず、宇宙は真空であり、食物などの生活に必要なものがありません。
これには宇宙服や気密室のなかで地球から持参したものを使って暮らすことが必要になります。
絶対的な条件ではありますが、このようにすれば科学技術の力で解決することができます。

次に、宇宙は地上からではわからない未知の環境であり、なかでも放射線とメテオロイド(宇宙に漂う天然の物体)が気になります。

このようにして、現在行われている宇宙飛行などができるようになりました。
さすがに宇宙で地球のように生活する方法は、まだ見つけられていませんが。

しかし、ここまで考えた後、思いがけないことが問題となりました。
自然の環境ではなく、人類が宇宙開発を行った結果出てきた自業自得の問題、『スペースデブリ』です。