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インタビューにGO!!

中村松江 ( なかむらまつえ ) さん、 玉太郎 ( たまたろう ) さんにインタビュー！

ここまで概要と歴史について学んできたから、歌舞伎に詳しくなったね！

そうね。でもやっぱり、その道に携わっている人の話も聞いてみたいわ。

ふっふっふ。

？？

君がそう言うだろうと思って、こんな企画も用意したよ!

なんだろう、気になるわ…

 

本日 ( ほんじつ ) はよろしくお 願 ( ねが ) いします。さて、 早速 ( さっそく ) 質問 ( しつもん ) に 移 ( うつ ) りたいと思います。

演目 ( えんもく ) を1つ 完成 ( かんせい ) させるまでにどのくらいの 日数 ( にっすう ) がかかるのですか。また、どのような 稽古 ( けいこ ) をしているのですか。

公式 ( こうしき ) の 稽古 ( けいこ ) は 最低 ( さいてい ) 3 日 ( か ) 、 素 ( す ) の 稽古 ( けいこ ) （ 稽古着 ( けいこぎ ) のまま 行 ( おこな ) う 通 ( とお ) し 練習 ( れんしゅう ) ）は 大体 ( だいたい ) 2～3 回 ( かい ) 、 舞台稽古 ( ぶたいげいこ ) は 本番 ( ほんばん ) さながらに 数回 ( すうかい ) （スケジュールによって 変 ( か ) わるので 正確 ( せいかく ) には 決 ( き ) まっていない） 行 ( おこな ) います。

後 ( あと ) は 個人個人 ( こじんこじん ) セリフを 覚 ( おぼ ) えたり、シミュレーションしたりして 合 ( あ ) わせまでの 準備 ( じゅんび ) をします。

完成 ( かんせい ) はありません。

台本 ( だいほん ) を 覚 ( おぼ ) えるコツや、かかる 時間 ( じかん ) を 教 ( おし ) えてください。

繰 ( く ) り 返 ( かえ ) し 声 ( こえ ) に 出 ( だ ) して 読 ( よ ) んでいます。 恥 ( は ) ずかしい 思 ( おも ) いをしたくないし、かっこいい 自分 ( じぶん ) をお 客 ( きゃく ) さんに 見 ( み ) てもらいたいから、とにかく 練習 ( れんしゅう ) します。

衣装 ( いしょう ) は 重 ( おも ) くないのですか。

役 ( やく ) によって 違 ( ちが ) うけど 軽 ( かる ) いものでは 裸同然 ( はだかどうぜん ) 、 重 ( おも ) いものでは 合 ( あ ) わせて10 数 ( すう ) キロあります。

かつらはオーダーメイドなのですか。

頭合 ( あたまあ ) わせで 鬘屋 ( かつらや ) さんが 金 ( かね ) の 土台 ( どだい ) をその 人 ( ひと ) の 頭 ( あたま ) に 合 ( あ ) わせて 作 ( つく ) り、できた 土台 ( どだい ) を 元 ( もと ) に 床山 ( とこやま ) さんが 髪 ( かみ ) を 結 ( ゆ ) います。

裏方 ( うらかた ) は 何人 ( なんにん ) くらいいて、どんな 役割 ( やくわり ) があるのですか。

芝居 ( しばい ) によって 人数 ( にんずう ) は 違 ( ちが ) います。 大道具 ( おおどうぐ ) 、 照明 ( しょうめい ) 、 小道具 ( こどうぐ ) 、 操作盤 ( そうさばん ) 、 後見 ( こうけん ) 、 付 ( つ ) き 人 ( びと ) 、 黒子 ( くろご ) 、 作家 ( さっか ) さんなど 本当 ( ほんとう ) にたくさんいます。

お 化粧 ( けしょう ) を 自分 ( じぶん ) でできるようになるまでどのくらいかかるのですか。

子供 ( こども ) の 時 ( とき ) は 人 ( ひと ) にやってもらい、 初 ( はじ ) め てやったのは 中学生 ( ちゅうがくせい ) くらいで、 最初 ( さいしょ ) の 方 ( ほう ) は1 時間 ( じかん ) くらいかかりました。 大体 ( だいたい ) ぶっつけ 本番 ( ほんばん ) だからあまりにひどかったら 周 ( まわ ) りが 見 ( み ) かねてやってくれたりします。 化粧 ( けしょう ) の 仕方 ( しかた ) に 決 ( き ) まりはありません。（ 舞台 ( ぶたい ) に 乗 ( の ) った 時 ( とき ) にそれ らしく 見 ( み ) えればいいです）

舞台 ( ぶたい ) で 出 ( で ) てくる 動物 ( どうぶつ ) の 表現 ( ひょうげん ) の 仕方 ( しかた ) や 工夫 ( くふう ) を 教 ( おし ) えてください。

本物 ( ほんもの ) ぽく 動 ( うご ) かす 必要 ( ひつよう ) がありますが、 動 ( うご ) かしてる 人 ( ひと ) は 目立 ( めだ ) ってはいけません。 姿勢 ( しせい ) を 低 ( ひく ) くしたりと 個人 ( こじん ) の 工夫 ( くふう ) を 行 ( おこな ) っています。

舞台 ( ぶたい ) が 始 ( はじ ) まる 前 ( まえ ) の 音楽 ( おんがく ) は 生 ( なま ) ですか。

30 分前 ( ぷんまえ ) の 着灯 ( ちゃくとう ) は 鳴 ( な ) り 物 ( もの ) さんが 生 ( なま ) で 演奏 ( えんそう ) します。

女形 ( おんながた ) と 立 ( た ) ち 役 ( やく ) はどのように 決 ( き ) めるのですか。

身長 ( しんちょう ) や 体格 ( たいかく ) が 女 ( おんな ) の 子 ( こ ) に 見 ( み ) えやすいタイプの 人 ( ひと ) が 女形 ( おんながた ) になりますが、 本人 ( ほんにん ) がすごくやりたくて 努力 ( どりょく ) してなるパターンもあります。

1 年間 ( ねんかん ) で 平均 ( へいきん ) どのくらい 公演 ( こうえん ) するのですか。また、 大体 ( だいたい ) のスケジュールを 教 ( おし ) えてください。

歌舞伎自体 ( かぶきじたい ) は1 年 ( ねん ) 12 ヶ月 ( かげつ ) どこかしらの 劇場 ( げきじょう ) でやっていますが、 自分 ( じぶん ) が 出 ( で ) るのはすごい 時 ( とき ) には11 ヶ月 ( かげつ ) です。お 芝居 ( しばい ) は 大体 ( だいたい ) 、 初日 ( しょにち ) が 1日 ( ついたち ) から 3日 ( みっか ) にあり、25 日公演 ( にちこうえん ) をし、 千秋楽 ( せんしゅうらく ) が25 日 ( にち ) から28 日 ( にち ) にくるので 稽古出来 ( けいこでき ) るのは 大体 ( だいたい ) 1 週間 ( しゅうかん ) くらいしかありません。 公演中 ( こうえんちゅう ) から 次 ( つぎ ) の 舞台 ( ぶたい ) のセリフを 覚 ( おぼ ) え 始 ( はじ ) めます。 歌舞伎 ( かぶき ) に 関 ( かん ) するスケジュールは 全部松竹 ( ぜんぶしょうちく ) が 管理 ( かんり ) していて、 出 ( で ) る 演目 ( えんもく ) の 指示 ( しじ ) もされます。

世 ( よ ) の 中 ( なか ) で 言 ( い ) われているなかで 違 ( ちが ) うことを 教 ( おし ) えてください。

たとえば、黒子の 読 ( よ ) み 方 ( かた ) はくろこじゃなくてくろごといいます。

それから、 歌舞伎 ( かぶき ) は『おっとと』だけではありません。 派手 ( はで ) な 隈取 ( くまど ) りの 人 ( ひと ) がいつも 出 ( で ) てくるわけでもありません。 洋服 ( ようふく ) の 演目 ( えんもく ) もあります。

裏方 ( うらかた ) さんには 女性 ( じょせい ) が 多 ( おお ) いです。

役者 ( やくしゃ ) さん（テレビにも 出 ( で ) ている 方 ( かた ) ）の 名前 ( なまえ ) のイントネーションが 違 ( ちが ) うことがあります。
　 例 ( れい ) ： 尾上松也 ( おのえまつや )

好 ( す ) きな 演目 ( えんもく ) があれば 教 ( おし ) えてください。

たくさんありますが、 個人的 ( こじんてき ) には 鏡獅子 ( かがみじし ) です。

今 ( いま ) までに 一番 ( いちばん ) やっていて 良 ( よ ) かったことを 教 ( おし ) えてください。

後 ( あと ) になってわかったけど、お 亡 ( な ) くなりになられた 大先輩 ( だいせんぱい ) と 共演 ( きょうえん ) できたことが 財産 ( ざいさん ) だと 思 ( おも ) います。

中村勘三郎 ( なかむらかんざぶろう ) さんや 市川團十郎 ( いちかわだんじゅうろう ) さんとかと 共演 ( きょうえん ) できたことです。

初舞台 ( はつぶたい ) はいつだったのですか。

小学校 ( しょうがっこう ) 5 年生 ( ねんせい ) の 時 ( とき ) です。 芸歴 ( げいれき ) は40 年 ( ねん ) です。

5 歳 ( さい ) の 時 ( とき ) です。 芸歴 ( げいれき ) は10 年 ( ねん ) です。

※ 歌舞伎 ( かぶき ) の 役 ( やく ) は 大人役 ( おとなやく ) と 子供役 ( こどもやく ) しかないので、 中学 ( ちゅうがく ) ・ 高校時代 ( こうこうじだい ) はお 休 ( やす ) みして、 大人 ( おとな ) になるための 準備 ( じゅんび ) をします。

若 ( わか ) い 人 ( ひと ) たちへのメッセージをお 願 ( ねが ) いします。

いろんなものを 見 ( み ) てください。 好 ( す ) きか 嫌 ( きら ) いかはいいからとりあえず 見 ( み ) てください。テレビとかではなくて 劇場 ( げきじょう ) で 生 ( なま ) で 見 ( み ) て、ふれてください。

いろんなことに 視野 ( しや ) を 広 ( ひろ ) げてほしいです。 歌舞伎 ( かぶき ) についてちょっとは 知 ( し ) ってもらい、2020 年 ( ねん ) の 東京 ( とうきょう ) オリンピックの 時 ( とき ) に 外国人 ( がいこくじん ) に 歌舞伎 ( かぶき ) って 何 ( なに ) か 答 ( こた ) えられるようになってほしいです。

それでは 最後 ( さいご ) に、 次 ( つぎ ) への 目標 ( もくひょう ) をお 願 ( ねが ) いします。

今 ( いま ) は 目 ( め ) の 前 ( まえ ) の 役 ( やく ) にベストを 尽 ( つ ) くすので 必死 ( ひっし ) です。もらった 役 ( やく ) を 大切 ( たいせつ ) に 前 ( まえ ) に 進 ( すす ) みたいです。

まだ 子供 ( こども ) でわからないことがたくさんあるので、 稽古 ( けいこ ) とかで 知識 ( ちしき ) を 身 ( み ) につけて、 大人 ( おとな ) になった 時 ( とき ) に 役立 ( やくだ ) てたいです。

ありがとうございました。

これからの 末永 ( すえなが ) いご 活躍 ( かつやく ) をお 祈 ( いの ) りしております。

 

インタビューを終えて

今回私たちの無理なお願いを暖かく聞き入れ、本番の直前という大変お忙しい中でご協力くださいました。

インタビューでは、その世界に携わっている人でなければ分からない生のお話を聞かせていただき、書籍やインターネットなどで調べるだけでは得られない貴重な情報も知ることができました。また、今回の取材では公演直前の舞台と舞台裏、たくさんの方々の動きの見学など、お二人のお話以外にも「現場」の雰囲気を肌で感じることのできる数多くの経験をさせていただきました。これらのことから、実際に自分たちの足で現場に赴き、様々なものに触れさせていただくことの重要性を学ぶことができました。

ご協力いただいた中村松江さん、玉太郎さん、そして加賀屋のみなさん、本当にありがとうございました。

 

 

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中村松江（なかむら・まつえ）さん

1966年(ねん)3 月(がつ)8 日(にち) 生(う)まれ。 六代目(ろくだいめ) 中村東蔵(なかむらとうぞう)の 長男(ちょうなん)として 生(う)まれる。 昭和(しょうわ)51 年(ねん)、10 歳(さい)のとき「 伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」の 鶴千代役(つるちよやく)で 四代目中村玉太郎(よんだいめなかむらたまたろう)として 初舞台(はつぶたい)を 踏(ふ)む。 平成(へいせい)18 年(ねん)4 月(がつ)には「 関八州繋馬(かんはっしゅうつなぎうま)」 源頼平(みなもとのよりひら)・「 伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)」の 今田万次郎役(いまだまんじろう)で 六代目中村松江(ろくだいめなかむらまつえ)を 襲名(しゅうめい)。 現在(げんざい)、 立役(たちやく)を 中心(ちゅうしん)に 活躍(かつやく)している。

中村玉太郎（なかむら・たまたろう）さん

2000年(ねん)10 月(がつ)22 日(にち) 生(う)まれ。 六代目中村松江(ろくだいめなかむらまつえ)の 長男(ちょうなん)として 生(う)まれる。 平成(へいせい)18 年(ねん)4 月(がつ)、5 歳(さい)のとき「 関八州繋馬(かんはっしゅうつなぎうま)」 里(さと)の 子(こ) 梅松(うめまつ)で 五代目(ごだいめ) 中村玉太郎(なかむらたまたろう)として 初舞台(はつぶたい)を 踏(ふ)む。 現在(げんざい)は 立役(たちやく)への 準備期間中(じゅんびきかんちゅう)。