「春の海(はるのうみ)」
作曲:宮城道雄
編成:箏・尺八(六寸管)
解説:春ののどかな瀬戸内の海の情景を表した曲で、ABAの三部形式からなります。Aはゆっくりで、のどかな浜辺の様子が、Bはテンポが速く、舟歌を歌いながら勇ましく櫨を漕いでいる様子が表現されています。箏曲のみならず日本音楽の代表曲として今日まで多くの人々に愛されてきた曲です。
「上弦の曲(じょうげんのきょく)」
作曲:沢井忠夫
編成:箏・尺八
解説:この曲は、古き時代の人々が神秘の月と仰ぎ、それぞれの想いを月に祈ったであろうことを思い巡らせながら書かれた曲です。全体を通じて日本の伝統楽曲の雰囲気を濃厚に持っています。箏と尺八それぞれの自由な物言いに始まります。
「六段の調(ろくだんのしらべ)」
作曲:不明
編成:箏独奏
解説:古典曲のなかでは珍しく歌が付かない独奏曲のためか、現在最もポピュラーな曲として愛好されています。また、手の練習曲としての役割もあり、箏を習いはじめて早い時期の教習曲でした。旋律の構成面において、段物の形式性がそれほど強くないため、各段の旋律に変化がみられておもしろいです。