地球の暖まり具合は、地表面が太陽からの放射量をどれだけ、受けるかによって決まります。しかし、地球が受ける放射量は常に一定ではなく、いくつかの要素によって変化していきます。

その@ 太陽の活動の変動
 太陽の活動は、数千年単位で変化しています。太陽の放射エネルギー量は、黒点が多いときほど多く、地球が受け取る放射エネルギーも増加します。

そのA 太陽との位置関係の変化
 地球の公転の軌道の形は楕円形(だえんけい)ですが、他の惑星の引力に影響され毎年少し形が変わります。その分太陽との距離が変わり、地球が受ける太陽の放射エネルギー量も変わります。

そのB 地球表面の反射率
 太陽からのエネルギーが、地球の表面に反射する割合を反射率といいます。反射率が高くなると地球の表面温度は下がります。

☆ しかし!!
 それでは、今起こっている温暖化も自然影響かというと、どうもそうではないようです。自然現象による温暖化シミュレーションでは、今日の温暖化を説明することはできません。人間の活動が生み出す温室効果ガスの排出を考慮しなければ説明できないことが明らかになったのです。
 特に大きな原因は、海や植物が吸収する量を上回る量の二酸化炭素を放出し、大気中の濃度を高めたことです。IPCCが2007年に発表した第四次報告書によると、2005年の二酸化炭素濃度は、379ppm。一方、化石燃料を使い始めた産業革命以前は、289ppm。過去65万年間を調べても180〜300ppmです。このことから、産業革命後、人間が化石燃料を消費し、大量の二酸化炭素を放出し、温暖化を招いたことは確かなのです。二酸化炭素の経年変化のグラフを以下に示します。

[出展] 気象庁 地球全体の二酸化炭素の経年変化

温室効果ガスはどうやって、地球をあたためるの?
 温室効果ガスは太陽放射の可視光線を通過させますが、赤外線は吸収します。赤外線を吸収すると温室効果ガスの分子がゆりうごかされて熱が発生し、その熱がふたたび地表に放射されます。そのため温室効果ガスが増加し、大気中の分子が増加すればするほど、温室効果は高まっていきます。

温室効果ガスは、二酸化炭素だけじゃない!
 大気中には二酸化炭素以外に、メタン、フロン、水蒸気なども温室効果ガスとして存在しています。温室効果ガスの種類の割合グラフを以下に示します。

[出展] 気象庁 温室効果ガスの種類

 メタンは、おもに温暖化で永久凍土(えいきゅうとうど)が溶けることで増加しました。フロンは、現在は使用が禁止されていますが、過去にエアコンや冷蔵庫などで使用されていたものが、廃棄されたことによって大気中に存在しています。
 メタンやフロンは、二酸化炭素や水蒸気を通過して宇宙へ逃げようとする赤外線をせき止めて吸収してしまいます。

二酸化炭素と比べた温室効果!

メタン…21〜25倍!
フロン
…数百倍〜数万倍!

 つまり量が少なくても効果は大きいのです。


 こうした結果が重なったため、本来は宇宙方向に放出されるはずだった熱が、地球に溜まり熱収支のバランスがくずれてきてしまったのです。

夏蘭
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