食事が始まるまでのマナー

一口に和風料理と言っても、その種類はさまざまです。正式な席なら、本膳料理、懐石料理、会席料理、精進料理…と、それぞれの伝統に支えられた格式の料理がありますが、移りゆく李節の味覚、香り、彩り、情趣を大切にしているのは変わりありません。料理をいただくときも同しことです。場の雰囲気を損なわず、盛りつけの美しざも最後まで大切にして味わいたいものです。 それには、伝統にのっとった一応のルールの心得は必要ですが、といって、細かな形式にこだわるあまり、味わう余裕もなかつたなどというのは、かえってマナー違反です。主人側、あるいは料理を直接作ってくれた人に対する感謝と思いやりが、和風料理の最大のマナーなのです。

・おもてなしにば得憲料理をメインに
和風料理の出し方としては、酒の肴、吸いもの(すまし汁)、向付(さしみなど)、焼き物(魚)、煮物(野菜)、止めわん(赤だしなど)、ご飯、香のもの、果物、が一般的ですが、家庭でのおもてなしなど、特に格式ばらないときは、自分の得意料理をメインに、自由に考えてよいでしょう。ごく気楽な席なら、大皿盛りをとり回してすすめるのも一興です。

・おしぼりば忘れずに
一膳のハシだけでいただく和風料理は、料理によっては手を使うこともありますから、おしぼりは必ず準備します。夏なら冷たく、冬なら熱くしたものを、お客さまが到着してからお出しします。数も多めに用意を。

・場所に応じて上座を決める
席次に気をくばるのももてなす側の心得。日本間なら床の間を背にする席、テープル席なら入口から遠いところ、またば見席らしのよい席が上座ですから、主客はそこへ。すし屋など、カウンター席の場合は、チーフ格の板前さんが仕享をしている前の場所を上座と考えましょう。いずれの場合も、主人側は入口に近い所にすわります。

・主客はいちばんあとから着席
和風料理の席でほ、主客がいちばんあとから部屋に入って席に着くのがしきたりになっています。主客以外の客は、先に着席して主客の登場を待ちますが、自分の席がわからない場合は案内の人に問くか、とりあえず入口近くの席へ。あとで正式な席がわかったら、素直に移ればよいのです。退出の時はこの逆で、まず主客、つづいて上座の人から順次席を立ちます。

・懐紙は必ず持参して
和風料理でほ、洋風料理のようにナプキンは使いません。そこで、ぜひ持参したいのが怯紙。汁けの多いものの受け皿がわり、骨や殻などの包み紙にもなってくれますし、汁をふくのも、口もとをふくのもすぺて懐紙です。ハンカチは使わないのが原則です。

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