用語説明
下垂体 英hypophysis、pituitary body、pituitary gland 仏hypophyse 独Hypophyse
=脳下垂体(hypophysis cerebri)
間脳底から垂れ下がって、神経系と内分泌系との連接部となっている。成長ホルモン、生殖腺刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、メラニン細胞刺激ホルモンが分泌され、視床下部で作られた抗利尿ホルモン、子宮筋収縮ホルモンなどが貯えられて分泌される。
感覚器官 英sense organ, sensory organ 仏organe de sens 独Sinnesorgan
内外の変化、つまり物理的・化学的刺激を受容する(受け入れる)ように発達した器官。刺激は感覚として求心的に中枢に伝えられる。触覚、視覚、聴覚、嗅覚、味覚などを感じる部分。
間脳 英interbrain、 diencephalon 仏cerveau interme'diaire 独Zwischenhirn
脊椎動物の脳幹の一部。
視床・視床上部・視床後部・視床下部に分かれている。
器官 英organ 仏organe 独Organ
生物体を構成し、独立的に一定の生理作用を行う部分。
例えば、心臓、胃。動物では、神経系(nervous system)・感覚系(sense system)・筋肉系(muscle system)・骨格系(skeletal system)・消化系(digestive system)・呼吸系(respiratory system)・循環系(circulatory system)・排出系(excretory system)・生殖系(reproductive system)・内分泌系(endocrine system)・外被系(integument system)がこれに相当する。
求心 英afferent 仏affe'rent 独afferenter
←→遠心
中心に近づこうとすること
交感神経系 nervus sympathicus 英sympathetic nerve 仏nerf sympathique 独Sympathikus
自律機能を調節する神経で、一般的に生体を活動的にする。
末梢は血管・皮膚・汗腺・内臓平滑筋・分泌腺などに広く分布する。
[参考]→自律神経系
恒常機能、恒常性
=ホメオスタシス
視床下部 英仏hypothalamus 独Hypothalamus
脳の中の間脳の一部で、自律神経系の高次中枢。自律機能の調節・統合をし、体温調節・血圧・生殖・消化機能・睡眠・物質代謝などの調節を司る。
また、(脳)下垂体に連なってこれを支配し、内外の刺激に応じて内分泌の制御をする。さらに視床下部は情動(emotion)表現の中心とみなされている。
視床下部は基本的な生理現象を営むのに最も重要な部位となっている。
自律神経系 英autonomic nervous system 仏syste`me nerveux autonome 独autonomes Nervensystem
=不随意神経系(involuntary nervous system)
交感神経系・副交感神経系(parasympathetic nervous system)の2系統を持つ、意識から独立して生体の機能を調節する神経。その中枢は脊髄と脳幹にあり、血管・胃腸・唾液腺・肝臓・心臓などの器官を支配する。
神経中枢 英center nerve [参考]→中枢神経系
末梢から刺激を受けたり、脊髄(medulla spinalis、 spinal cord)や脳から末梢に刺激を送る細胞。
中枢 英center
1)=中枢神経系
2)主要なところ。事や物を制動するもと。中心。
中枢神経系 systema nervorum centrale 英central nervous system 仏syste'me nerveux central 独Zentralnervensystem
神経のうち、機能上の中枢部。
特異
←→非特異
他のものと非常に異なっていること。特殊なこと。
[参考]→特異性
特異性 英specificity 仏spe'cificite' 独Spezifita:t
特殊な性質
脳幹 英brain stem 仏tronc ce're'bral 独Hirnstamm
脳の中で大脳半球と小脳以外の部分の総称。
延髄(medulla)・橋(pons、annular protube'rance)・中脳(mesencephalon、mid-brain)・間脳(interbrain、siencephalon)をあわせていう。
生命の維持に重要な部分。
反射 英reflex 仏re'flexe 独Reflex
1)動物が、一定の刺激に対して無意識的に一定の反応を示す現象。
このとき、感覚器官に与えられた刺激は中枢を経て、意識と無関係に規則的に特定の筋肉や腺などの活動を起す。
2)転じて、無意識的な行動。
副交感神経系 英parasympathetic nervous system 仏syste`me nerveux parasymapthique 独parasympathisches Nervensystem
副交感神経からなる不随意性の自律神経系。
副腎 英adrenal gland 仏glande surre'nale 独Nebenniere
脊椎動物のアドレナリン、副腎皮質ホルモンを分泌する内分泌器官。副腎髄質と副腎皮質とからなる。
副腎皮質 英adrenal cortex 仏cortico-surre'nale 独Nerbennierenrinde
副腎の外層部分で、内分泌腺組織である。副腎皮質ホルモンを分泌する。
副腎皮質ホルモン 英adrenocorticotrop(h)ic hormone 仏cortico-stimuline、 hormone adre'nocorticotrope 独adrenocorticotropes Hormon
副腎皮質機能を促進するホルモンで、下垂体のACTH生産細胞で生産・分泌される。
副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(副腎皮質刺激放出因子ホルモン) 英corticotropin-releasing hormone(CRH)
視床下部−下垂体神経分泌系によって分泌され、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)生産に作用する。副腎皮質ホルモンのフィードバックにより調節される。
副腎皮質ホルモン 英adrenocortical hormone、 adrenal corticoid 仏hormone corticosurre'nale 独Nebennierenrindenhormon
副腎皮質で生成され、下垂体の副腎皮質刺激ホルモンによってその分泌が促成されるホルモン。ストレス状態の発生に関与している。
また、脳や下垂体に自己抑制(フィードバック)をし、それぞれ副腎皮質ホルモン放出ホルモン、副腎皮質刺激ホルモンの分泌を制御する。
普遍的な 英universal, general
←→特殊な。特異な
一般的な。共通の性質があるさま。
ホメオスタシス 英homeostasis 仏home'ostasie 独Homo:ostase
恒常性。
外部環境(天気や気温など)の変化や内的変化(運動や姿勢など)に応じて、生物体または生物システムが形態的状態・生理的状態体内環境(内部環境internal environmentとも言う。体温、血流量など)を安定な範囲内に保ち、固体としての生存を維持する性質。
ヒトでは自律神経と内分泌腺が主体となって行われる。精神内部のバランスについても言う。
末梢 英peripheral
はし。先端。末端。
[参考]→末梢神経系
末梢神経系 英peripheral nervous system 仏syste'me nerveux pe'riphe'rique 独peripher(isch)es Nervensystem
中枢神経系と諸器官(皮膚・感覚器官・筋肉・腺など)とを連絡する神経の総称。脳から出る脳神経と、脊髄から出る脊髄神経の二つがある。
機能上により、遠心性神経と求心性神経とが区別され、また運動神経・知覚神経・自律神経の別がある。
[参考文献]
広辞苑 第四版 岩波書店 新村 出・編 1991.11.15 第四版
講談社国語辞典 第二版 講談社 1991.11.5 第二版
岩波生物学辞典 第4版 八杉龍一、小関治男、古谷雅樹、日高敏隆・編 1996.3.21 第4版
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