
ガラパゴスの島々を船から見てみると山頂から黒々と流れおりている溶岩流をいたるところで見ることができる。紛れもなく、ガラパゴスは火山起源の群島である。現在の地球科学によるとガラパゴスの形成は「プレート・テクトニクス」の観点より説明することができる。
地球は内部にマントルがあり、その表面に薄い地殻(地面)が乗った構造をしている。地球表層部はおよそ10個あまりのプレート(板)に分かれている。プレートとプレートの境界線では、マントルに由来するマグマがゆっくりと上昇して湧き出し、冷えて固まる。その分だけ両側のプレートは左と右へ移動する。
ガラパゴス諸島はナスカ・プレートの西の端に乗っていて、東南東の方向に移動している。そこには「ホット・スポット」と呼ばれる固定したマグマの噴出し口があり、その上には活動中の火山がのっている。ナスカ・プレートはそれをのせて移動するから、その火山はやがてホット・スポットとの脈絡を断たれ、溶岩の噴出がとまり火山活動は終わる。ガラパゴス・ホット・スポットの上では、あたらめてプレートを貫いて溶岩が噴出し、新しい火山が作られる。ホット・スポットから噴出する溶岩は玄武岩質で、流動性に富み、火口から遠くまで流れるので、火山はのっぺりとした形となる。
ガラパゴス・ホット・スポットには、複数の溶岩の噴出し口があるのかもしれない。群島は3列の火山列からできている。各列では東のほうに位置する火山が古く、侵食も進んでいる。もっとも、古い溶岩は東の端にあるサン・クリストバル島およびエスパニョラ島のもので、300−500万年の古さをもつと推定されている。
東のほうの古い島に対し、西に位置する島の火山は新しく、今でもときどき噴火する。イザベラ島のシェラ・ネグラ火山は、1979年に大噴火を起こし、溶岩は海まで1000メートルの山腹を灼熱の河として流れ下った。西端のフェルナンディナ島では記録に残る噴火は多く、最近でも’77、’78、’79、’80年に小規模ながらも噴火している。
ガラパゴス島は、それぞれスペイン名と英名を持っている。最大のイザベラ島は6つの楯状火山がくっついてできている。これらの火山とフェルナンディナ島の火山は頂部に大きなカルデラ地形をもっている。