
彗星の軌道は、2次曲線ー楕円、放物線、双曲線のどれかと考えられている。実際は、大部分は楕円軌道を回っていると考えられている。また、決まった歳月を経て帰ってくる彗星は、”周期彗星”と呼ばれている。さらに、周期が200年以下のものを”短周期彗星”と呼ぶ。これまでに見つかった彗星は2000個以上で、現在までに800個以上の周期彗星が確認されており、そのうち180個程が短周期彗星で、残りが長周期彗星と考えられている。短周期彗星の代表例は、76年ごとに帰ってくるハレー彗星や、しし座流星群で有名になった、33年ごとのテンペルタットル彗星がある。さらに、彗星は毎年新たに10〜20個発見されていて、数は増え続けている。しかし、発見されるものの大部分は、肉眼では見えない暗いものである。
現在、彗星は太陽系の天体であると考えられているが、彗星が地球と同じように太陽の周りを回っていることを発見したのは、18世紀初め、エドモンド・ハレーである。彗星の軌道について、ニュートンは彗星が回帰するのら長楕円軌道をとり、回帰しないのなら、放物線軌道をとることを、万有引力の理論に基づいて示し、実際の軌道についてハレーは計算した。そこで、1682年の彗星の軌道計算結果から、1531年、1607年に出現した彗星と同じ彗星であるということをハレーは発見した。そして、1758年暮れから1759年始めにかけて、彗星が現れると予測した。ハレーは1742年に世を去ったが、その16年後の1758年、ハレーの予測した彗星は回帰した。そのため、ハレー彗星だけは彗星の発見者の名前ではなく、研究者であったハレーの名前が付けられたのである。一般には、発見の早い順に3人までの名前が付けられている。