【歴史の中の彗星】


Purple.gif (326 バイト)彗星は、不気味な長い尾を引いてることから、昔から戦乱、疫病、王侯の死の前兆などと恐れられてきた。アリストテレス以来、西洋では、彗星は地球の大気中の現象と考えられていた。彗星が初めて天体であることを明らかにしたのはケプラーで、彼は1577年にティコ=プラーエが大彗星を遠く離れた二点から観測した結果に、ほとんど視差が認められなかったことから月よりも遠方にあると結論づけた。ケプラーは彗星の軌道を直線であるとしていたが、今はニュートンの万有引力によって放物線であると証明されている。

Purple.gif (326 バイト)彗星は太陽系の他の小天体と違って、古代から知られていた。ハレー彗星の観測記録は古くから有り、古いものは紀元前2320年にまでさかのぼると言われている。ここまで古い記録は信憑性について疑問が残る。

Purple.gif (326 バイト)信頼できるものとしては、紀元前240年に出現した彗星で、始皇帝7年の5月に、約半月にわたって西の空に見えたと記録されている。この彗星はハレー彗星であるとされている。

Purple.gif (326 バイト)また、ヨーロッパで有名なのは、1066年のノルマン人の”征服王”ウィリアム1世によるイギリス征服のときである。この年の4月にハレー彗星が現れると、彼は大軍を率いてイギリス本土に侵入し、10月にはノルマン王朝を開いたのである。そして王妃マチルダの所有していた”バイヨーの壁掛け”には、ハレー彗星が刺繍されて残っている。

Purple.gif (326 バイト)日本では、”日本書紀”に684年にハレー彗星が出たと記録が残っている。中国の”唐書”にもこの彗星の出現は記録されているし、ヨーロッパでも見られているので信憑性は高いだろう。