今の日本の推理小説は江戸川乱歩なしでは全く発生し得なかったものであり、彼の影響ははかりしれないほどの大きさなのである。
だが、残念な事に、乱歩は通俗長篇時代の「エロ・グロ」や「怪人二十面相」等の少年物のイメージが強すぎ、テレビの番組で、
「怪人二十面相の生みの親として、少年ミステリの作者として広く知られる江戸川乱歩には、本格推理小説作家としてのもうひとつの知られざる顔があった。」
等と取り上げられる程で、正当な評価を受けていない。
単に推理小説史だけでなく、乱歩は大正文学史の中心ともいえる存在である。僕は、本当の江戸川乱歩がもっと世間から認められるように望んでやまない。