一般的交換手段機能

ひとつは「一般的交換手段機能」と呼ばれれるものである。
あらゆる財やサービスを、それに見合った貨幣と交換することによって得ることが出来る機能である。
私達は本を買ったり、電車に乗ったりするときにお金を払う。
それは、貨幣がこの機能を持っているからである。
この機能は貨幣にとって最も大切な機能であることは間違いない。
このような貨幣の機能がなかったら、日常の生活が出来ないということ以前に、貨幣というものが存在していなかっただろう。
一般的価値貯蔵手段機能
2つ目の機能は、「一般的価値貯蔵手段機能」と呼ばれるものだ。
簡単に言えば、あなたが一万円札をそのまま持っていれば、それはいつまでも一万円の価値があるということである。
もし、あなたがそれを食べ物と交換してしまったら、いつか腐って食べられなくなるだろう。
もしあなたがそれで洋服を買ってしまったら、穴が空いて着れなくなってしまうかもしれない。流行が過ぎて誰も引き取ってくれなくなるかもしれない。
もしあなたがそれで宝くじや馬券を買ったら、それは三億円になるかもしれない。ただし、何の価値もないただの紙切れになるかもしれない。
いずれの場合も、もしあなたがそれをものに変えてしまったら、それが将来一万円の価値があるままかどうか分からない。
しかし、一万円のままで持っていれば、¥10000という名目価値は変わらない。
これを変わらなくさせるのが一般的価値貯蔵手段機能というものである。

一般的価値尺度機能
第三の機能は「一般的価値尺度機能」と呼ばれる。
これは、交換される財やサービスの価値を、貨幣の数量で交換することが出来る機能である。
又、この機能によって複数のそれらを値段(貨幣の単位)によって比較することも出来る。
例えば、あなたは美術にまったく知識の無い素人だとしましょう。
ある日、美術館に行き、ある絵を見る機会がありました。
そしてあなたはこの絵をとても気に入りました。
しかし、この絵が誰によってかかれたものか、どの程度の価値があるのかまったく分かりません。
そこで、その絵を金額化することによって、その絵の一般的な価値を知ることが出来るのである。
美術品はその人によって作品の価値はまったく違う。あまりよい例ではなかったかもしれない。
しかし、一般的な価値を知ることが出来る点では利点であろう。
もちろん絵に限ったことではなく、スーパーのみかんでも同じことだ。
なんとなく分かっていただければ有り難い。

我々の日常生活はこのような機能によって滞りなくすごすことが出来るのだ。
「貨幣の基礎的知識」へ