みなさん、ピンホールカメラでうまく写真を撮(と)ることができましたか?たぶんうまくいってないんじゃないかなぁー。実はピンホールカメラで写真を撮ることは、非常にむずかしいのです。撮る時間の長さ、その日の天気、作ったカメラの大きさ、穴の大きさなどきれいな写真を撮るにはこれらすべてがマッチしないとうまくいかないのです。これから実際にとってみた写真を見て、うまくとる方法を考えてみましょう。

1.まっしろになっちゃったー
左の写真はほとんどまっしろで、何がうつっているのかさっぱりわかりません。これは、ハリの穴が小さすぎて、はこの中に光が入らなかったためか撮影(さつえい)の、時間がみじかかったなどの理由が考えられます。

2.真っ黒になっちゃったー

さっきの写真とは違って、こんどは真っ黒で、なにが写っているのかよくわかりません。これは、ハリの穴が大きすぎたか、撮影の時間が長かったかということが理由としてあげられます。

上の2つの写真のように、ハリの穴の大きさと光のぐあいや天気は、大きく写真に影響(えいきょう)します。
うえの表は、撮影時間と天気の関係をだいたいのめやすであらわしたものです。ピンホールカメラによる撮影では、光のぐあいのほかに、「しぼり値」というものが関係します。うえの表は、しぼり値が35センチのばあいです。
上の表は、あくまでもめやすです。なぜなら、ちょうど良い撮影の条件は、カメラによってちがうからです。みなさんのつくったカメラは、世界でたった一つしかない自分だけのカメラですよね。だからみなさんは、何度もチャレンジして、上の表をさんこうにして、ぜひ自分のカメラに合った表をつくってみてくださいね。

3.分身(ぶんしん)するぞー

こんなふうに、がぞうがブレてしまうことはありませんか?これは撮影中にカメラが動いてしまったり、風などで被写体(ひしゃたい)が動いてしまったなどの原因が考えられます。
このように上のブレを使って、こんな写真をつくることもできるのです。これは、5秒(びょう)ごとに手を動かして撮影しました。
じょうずに写真が撮れなかったときには、ほかにもいろいろな原因が考えられます。たとえば、知らないうちにカメラに小さな穴やすきまができて光が入ってしまっていたり、印画紙のおもてとうらが、あべこべになってしまっているかもしれません。

でも、そのような経験を何度もくりかえすことによって、きっときれいな写真が撮れるようになるはずです。


また、たとえくっきりとした写真が撮れなかったとしても、4番目の写真のように、工夫して楽しい写真や、ふしぎな写真を撮ることができます。これが、ボタンを押すだけで、誰がとっても同じような写真が出来てしまう市販(しはん)のカメラでは味わえないピンホールカメラの魅力(みりょく)でもあるのです。

みなさんが「すてきだな」と思える写真が撮れれば、それはブレていても、鮮明(せんめい)でなくても、大成功の写真です。

みなさんは、ぜひぜひいろんな撮影方法を工夫して、おもしろい写真やふしぎな写真をたくさん撮ってみてください。きっとその一枚一枚が、みなさんの思い出に残る大切な写真になることでしょう。