女性のスポーツ(1) 〜体力の性差〜

女性と男性の体力の性差はどこから生まれるのでしょう?

答えは単純明解、筋肉です。
筋肉の量、太さが違うから、筋出力の絶対量に差が出るのです。

男性と女性の筋肉の違いを調べた研究によると、筋肉1平方cm当たりの筋出力は、男性も女性もほぼ同じでした。すなわち筋肉の質に差はありません。しかし、筋肉全体の太さが異なります。同じトレーニングをした場合、ホルモンの関係で男性の方が筋肉が発達します。(筋肉の材料であるタンパク質合成を促すのは男性ホルモン。反対に女性ホルモンは体脂肪の合成を促す。)筋肉は、原則的には筋肉の断面積に比例しますから、太い筋肉を持つ弾性のほうが常に強くなるわけです。
筋線維の内訳を調べてみても、男性は速筋線維が多いとか、女性は遅筋線維が多いとか、そういう傾向は見られません。ですから、筋肉の質ではなく、量が決定的条件となって体力の性差をもたらしているのです。
女性も筋肉トレーニングによって、筋肉を太く大きくすれば、男性並みの競技力を持つことが可能です。事実、よくトレーニングをしている女性は、何もしていない男性よりも競技力が高いし、単純な力比べをしても強いものです。女性もトレーニング次第で十分強くなれることは、生理学的にも明らかなのです。

こうといっても、やはり女性の体はデリケートでちょっとしたことでホルモン異常や貧血を起こしてしまう危険性があります。
そこで、女性のスポーツには、ときとして特別な配慮も必要なのです。
これについて、次のページで詳しく触れて行きます。




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