□■□ 琵琶湖と生き物の関わり □■□

 琵琶湖の生物は食物連鎖によってバランスをとり生きています。植物プランクトンは光合成をし、養分を作り生きていますし、動物プランクトンはその植物プランクトンをエサにします。そして動物プランクトンはアユなどの小魚のエサとなります。また驚くことに、動物プランクトンや魚が出した排泄物や生物の死骸を細菌がエサにし、それを小型動物プランクトンが食べ、さらに大型の動物プランクトンが補食するという、微生物の間でも食物連鎖によってバランスがとられています。このように琵琶湖の生物は好循環を繰り返しながら生きています。

 プランクトンの量は、リンや窒素などの量に比例します。したがってリンや窒素が少ない湖にはプランクトンも少なく、その結果魚の量も少なくなります。幸い、琵琶湖にはリンや窒素が十分にあり、プランクトンも魚も豊富です。しかし近年、富栄養化という減少が問題となっています。富栄養化とは、植物の栄養素である窒素やリンが流入して、プランクトンが異常に繁殖し、水質が急に悪化することで、水の色は透明から濁りのある緑色になり、臭いが発生するようになります。例をあげると、植物プランクトンのウログレナの異常増殖による赤潮の発生、ミクロキスティス・アナベナの異常増殖によるアオコの発生などがあります。滋賀県としては、1979年富栄養化の防止に関する条例を出し、工場等の排水のリン、窒素の規制や家庭用の合成洗剤の禁止などの対策をとっていますが、未だ解決していません。

 

琵琶湖に流れ込む栄養分の起源