Q4:あくびはなぜでるのか



 私達は授業中や会議の途中などで、退屈のあまりあくびをしてしまうことがあります。また、寝不足など眠くて仕方がないときには、緊張していようと思っていても、あくびはひとりでにでてしまいます。

 あくびは自分でもできますが、疲れているとき、眠いとき、退屈しているときには、自然にでてしまいます。つまり、自分の意志とは無関係にでてしまうものなのです。


<あくびがでる理由>

 これは、あくびが脳の酸素不足によって起こる一種の反射だからです。酸素が不足した脳に酸素を豊富に供給するために、通常の呼吸以上に酸素を取り込もうという一種の深呼吸なのです。
 もともと、脳という器官はその大きさのわりにエネルギー源や酸素を大量に必要とすることで知られています。脳は体重の約2.5%ほどの重さしかないのにもかかわらず、全身の血液の20%が流れ、呼吸によって取り入れられた酸素の20〜25%を消費しているのです。
 このように多量のエネルギー源や酸素を必要とする脳は、からだの他の器官を犠牲にしても優先的に栄養を摂っているのです。だから、酸素が不足した状態になると、大脳の皮質の判断を待つことなしに、強制的に酸素を取り入れようとする反射が起こるのです。



<大口を開ける理由>

 あくびの動作は何となく間が抜けているようで、あまり格好のいいものではありません。しかし、この口を大きく開ける動作にもちゃんとした理由があるのです。

 口を大きく開けることによって、顔面に複雑にめぐらされている筋肉のうち、物を噛むときに使う咬筋が強く引き伸ばされ、大脳皮質に刺激が送られ一時的に意識をはっきりさせる効果があるのです。