Q8:カゼをひくとどうしてはながでるのか


 カゼを引くと、いちばん先に症状が現れるところが鼻の粘膜です。すぐにグズグズとしてはながたまってくるものです。このはなはどうして出てくるのでしょうか。また、何のために出るのでしょうか。



<鼻のしくみ>

 鼻はにおいをかいだり、呼吸するためのものですが、ここでは呼吸に関連して鼻の仕組みについて考えていきましょう。

 外鼻孔(鼻の穴)から鼻毛の生えているところまでは皮膚の続きで、その奥から粘膜となって肺にまで通じています。鼻の粘膜の部分を鼻腔といい、鼻腔の壁は粘液の分泌によってつねに湿っています。粘液は吸入された微細なほこりを吸着して侵入を防ぐためのものです。そしてこの粘膜は刺激に対して非常に敏感で、わずかな刺激にもただちに反応して多量の粘液を分泌します。粘膜に分泌をうながす刺激はいろいろありますが、冷たい空気を急に吸い込んだときや、アレルギー体質の人が花粉などの抗原に出会ったときなど、カゼのウイルスによるなどは好例です。



<カゼ>

 カゼをひいて、ウイルスが鼻の粘膜をおかすと、急性カタル性炎症を起こし、鼻粘膜が赤く腫れ上がってきます。はじめのうちは熱っぽい感じがして乾いたようになり、鼻がムズムズしてきて、そのうちくしゃみとともに、うすい水のようなはな水っぱなが出てきます。
 この水っぱなが続くと粘膜の炎症はさらに進行するので、これを止めるために自衛しなければいけません。そのための防衛軍白血球が対ウイルス戦のために動員されるのです。ウミは白血球とウイルスの一騎打ちの残骸で、この段階から鼻水は次第に粘りを増し、濃厚になってくるとともにウミを交えてくるようになるのです。このようにして出てくるのが、カゼひきにつきもの、いわゆるはななのです。