歯
歯は人間にとってかけがえのないものです。歯が虫歯だらけだったり、噛み合わせが悪かったりすると、歯だけではなく、体のほかの部分まで影響が出てくるといわれています。
『歯』の基礎知識
私たちの歯は、小児期の『乳歯』から『永久歯』に生え変わります。成人の歯(永久歯)の数は、親知らずを除けば、28本が基本です。
永久歯になってからは、私たちはこの歯と一生付き合っていかなければなりません。ですが、日本人の場合、年を重ねるごとに非常に高い割合で永久歯を失っているのが現状です。できるだけ、自分の歯を残すにはどうすればいいのでしょうか。それは、まず虫歯にならないことです。
『虫歯』を考える
まず、『虫歯になるメカニズム』を検証していきましょう。
私たちが食事をとると、食物の中の糖質(砂糖やデンプンなど)が、歯についている『歯垢』とくっついて、酸を出します。この酸が歯を溶かして、虫歯になっていくのです。
つまり、”虫歯になる条件”は、『宿主(歯)』、『基質(食べ物・糖質)』、『微生物(歯垢)』の3つといえます。この3点セットが重なったとき、虫歯になります。
ところで、『歯垢』とは一体どのようなものなのでしょうか。
歯垢は、「歯の垢のようなもの」とか、「歯に残った食べかす」などと思われがちですが、実は、歯垢の正体は、「歯にこびりついたネバネバした物質に虫歯菌がくっついたもの」なのです。口の中には、約400種類もの細菌がいるといわれていますが、この中のミュータント菌には、歯の表面のつるつるしたところにくっつく性質があって、口の中に入ってきた『砂糖』を栄養にしてネバネバしたデキストランという物質を作ります。虫歯菌はこのネバネバした物質が大好きなので、ネバネバがあるかぎりそこから離れず、どんどん虫歯菌が増えていきます。