内耳(ないじ)〜平衡感覚〜


 内耳の迷路の前半分は「蝸牛」といって、音を感じる部分でしたが、後半分は、平衡感覚をつかさどる器官です。内耳の平衡感覚の器官は、半規管と前庭という2つの部分がありますが、それぞれ働きは異なっています。

 半規管は、3本の管がループを作りながら根元でつながっている形をした器官です。管の直径はわずか0.4mm、ループの直径は6.5mm程です。ループの膜迷路の中には、内リンパという液が詰まっています。ループは根元の一方が膨らんでいて、底にも有毛細胞があり、液の動きを感じています。それぞれのループは互いに直角に向き合っていて、1本が水平で他の2本は垂直の位置にあります。

 半規管は頭の回転運動を感じる働きを持っています。頭を回すと、ループの壁は動きますが、中の液は動きません。だから、ループの付け根の有毛細胞は中の水が流れているように感じるのです。

 景色を見ながら、頭を横や縦に振ってみると、半規管は頭の回転運動を感じて脳に伝え、眼球の向きを調整します。この半規管の働きによって、視線の向きは絶えず微調節され、景色がぶれて見えることがないのです。

 前庭は2つの袋からできています。球形嚢と卵形嚢という袋で、それぞれに有毛細胞を備えています。前庭の有毛細胞は、毛に砂粒をつけています。砂粒が重力などの力によって引っ張られ、その向きのよって有毛細胞は興奮します。

 前庭は、まず頭の傾きを感じます。頭が傾くと、前庭に働く重力の向きが変わるので、それを感じるのです。また前庭は頭が動き出したり止まったりといった運動の変化も感じます。