心臓の構造とはたらき




心臓のしくみ


■心臓のつくり

 ヒトの心臓は、握り拳くらいの大きさの袋で、全体が心筋
という特殊で丈夫な筋肉でできている。

1. 内部のつくり
 2つの心房と2つの心室の合わせて4つの部屋にわかれている

2. 心房
 心臓の上側の2つの部屋。
 静脈から流れ込んだ血液を心室に送り込む。

3. 心室
 心臓の下側の部屋。
 心房からきた血液を強い圧力で動脈へ送り出す。

*心房と心室の筋肉

 心室の筋肉は心房の筋肉に比べて厚い。
 特に左心室は全身に血液を送り出す強い力が必要なので特に筋肉が厚くなっている。

4.
 心房と心室の境、心室と動脈の境にあって血液の逆流を防ぐ

■心臓が血液を送り出すしくみ

 心房と心室が交互に収縮と拡張を繰り返し(拍動)、血液を吸い込んだり送り出したりする。

心房の拡張
  →静脈から心房へ血液が流れ込む。

心房の収縮と心質の拡張
  →血液が心房から心室へ流れ込む。

心室の収縮
  →血液が動脈に押し出される。



ちょっと難関コーナー

■心臓の定義

 心臓は、重さ2〜300グラムの筋肉の袋です。この小さな臓器は、休むことなく拍動を繰り返して、血液を全身の血管に送ります。1回の拍動で送り出す量は約80ミリリットル、1分間に70回ほど拍動する間に、人間の身体に含まれる血液の量を上回る5.5リットルもの血液を送り出す計算になります。
 心臓は身体に生命がある限り、血液を送り出すために拍動し続けます。古代の人々が、心臓を魂の座と考えていたのも、無理ないことかもしれません。現在でも、心臓が動いている限り身体も生きているという素朴な考え方が根強く、脳死こそが固体の死であるという医学的な判断がなかなか受け入れられません。
 心臓が魂の座ではなく、血液を送り出す単なるポンプであることを初めて示したのは、17世紀の医学者のウィリアム・ハーヴィーでした。心臓が血液を送り出し、血液が全身を循環してまた心臓に戻ってくることを論証するために、ハーヴィーはとても苦労しました。現在の私達は、ハーヴィーのそのような苦労を忘れがちです。

■心臓の構造と働き

 心臓は左右に仕切られていて、左右の働きが異なります。右側は、全身から戻った血を受け取って、肺に送り出しています。
 右側も左側もそれぞれ、戻ってきた血液を受け取る心房と、血液を送り出す心室に分かれています。
 右心房には、下半身からの血液を受け取る下大静脈と上半身の血液を集める上大静脈が流入します。右心房の血液は、右房室弁(三尖弁)を通って右心室に流入し、そこから肺動脈弁を通って肺動脈に拍出されます。
 心室の壁は、心房に比べて分厚くできていて、血液を高い圧力で勢いよく押し出すことができます。左心室の壁は、右心室に比べて特に分厚くなっています。
 また、心室の内面には、筋が柱のように盛り上がっています。その筋の柱の先端から腱が出て、房室弁の縁につながっています。ちょうど、パラシュートとその縁のヒモような形です。この腱のおかげで、房室弁が心房側に反転することが防がれています。これに対して、大動脈と肺動脈の弁では、動脈の壁の周囲にある3枚のポケット状の袋が逆流を防いでいます