か行
[
か・
き・
く・
け・
こ
]
か
[化合物]
-
2種類以上の元素が結びついて、もとの元素とは違った性質を持つようになったものです。例えば、水素と酸素が結びつくと水ができますが、この水が化合物にあたります。
[カビ]
-
食べ物、動植物のからだ、衣類など、多くのものの表面に生える細い糸状(菌糸といいます)の生物で、キノコなどと同じ菌類の仲間です。胞子で増え、光合成をせず、有機物を分解したものを栄養にして生きています。病気や中毒の原因にもなりますが、酒やみそ作りに利用されるコウジカビや、ペニシリンという薬を作るアオカビの用に役に立つカビもあります。
[花粉]
-
花のおしべにある『ヤク』と呼ばれる袋の中で作られる粉のようなもので、虫や風などによって、めしべに運ばれます。外側は硬い殻になっていて、種類によって形や模様に違いがあります。核に体細胞の半分の染色体を持ち、雄の遺伝子を伝えます。めしべの柱頭に着くと花粉管をのばし、受精して種子を作ります。
[花粉症]
-
植物の花粉が目や鼻などの粘膜につくと、涙や鼻水が止まらなくなり、頭痛や喘息などの症状を伴うこともあります。アメリカの西部やヨーロッパの草原地帯でも知られていたのですが、日本では、春先に杉の花粉が原因の花粉症にかかる人が多く見られます。
[カルシウム]
-
元素の一種で、動物の骨や歯を作る主な成分で、栄養分として大事なものの1つです。単体は柔らかい金属で、石灰石や石膏に多く含まれ、海水にも溶けています。
[カロリー(cal)]
-
物質が持つ熱の量を表す単位です。純粋な水1グラムを1℃上げるのに必要な熱の量が1カロリー(cal)で、約4.2ジュール(J)にあたります。現在ではカロリーという単位の変わりに、『ジュール』を使うようになっています。ただし、食べ物のもつ熱量を表す場合には、カロリーを1000倍した単位である『キロカロリー(kcal)』が使われています。1グラムの炭水化物やタンパク質を食べると、約4.1kcal、脂肪は約9.3kcalの熱を出します。
[感覚神経]
-
目・耳・鼻・舌・皮膚などの感覚器官が、外界の刺激を受けたとき、これらの刺激を大脳に伝える神経です。感覚神経を通ってきた情報により、私たちの大脳は、明るさや色・音・におい・味・暖かさや冷たさ・痛みなどの感覚を得ることができます。
[環境ホルモン]
-
身の回りにあるさまざまな化学物質が、生物の体内で、まるでホルモンのように働き、体の機能を狂わせてしまうことがあります。このような物質を『環境ホルモン』といい、生物に悪影響を与えるため、対策が必要とされています。
[還元]
-
物質が酸素と結びついてできた酸化物を、酸素と切り離して元の物質に戻すことです。鉄やアルミニウムの原料は、酸素が結びついた酸化物の状態で取れるので、いろいろな方法で還元して鉄やアルミニウムを作っています。
[癌(がん)細胞]
-
細胞が、もともとの形や働きを失い、異常に増えていく病気を『癌』といい、このような細胞を癌細胞といいます。癌細胞ができる原因には、放射線・発がん性のある化学物質などがあり、癌が進行すると命にも関わることがあるので、早めに発見することが大切です。癌を治すために、癌細胞に放射線をあてたり、幹部を切り取るといった治療法が取られています。
き
[寄生]
-
ある生物が、他の種類の生物にとりつき、養分などの利益を得て生活することで、寄生する生物を帰省者、寄生される生物を『宿主(しゅくしゅ)』といいます。ノミ・蛔虫・ジストマは、動物を宿主とする寄生者です。ちなみに、ヤドリギ・ナンバンギセルは、植物に寄生する寄生植物です。
[嗅(きゅう)覚]
-
においを感じる感覚のことで、空気中を漂う物質が鼻の奥にある粘膜に溶けて、きゅう細胞を刺激すると、これが大脳に伝わって、においを感じます。非常に敏感な感覚ですが、同じにおいをずっとかいでいると、嗅覚が麻痺してだんだん感じなくなってしまいます。ちなみに、昆虫の場合、においを感じる細胞は触角にあります。
[共生]
-
複数の種類の生物が、お互いに利益があるように生活することを『共生』といいます。アリとアブラムシ、クマノミとイソギンチャクなどの例が有名です。片方の生物が、別の生物から必要な栄養を奪うなどの害を与えている場合は『寄生』といいますが、寄生と共生の間に、はっきりとした境界はないそうです。
[筋肉]
-
体を動かすための力を作る動物の組織のことを筋肉といいます。筋肉は細い筋繊維が縮むことで力を出しています。腕や足などの筋肉は、強い力を出せるが疲れやすい『横紋筋』から、胃や小腸など内臓の筋肉は、ゆっくりと長時間働くことができる『平滑筋』からできています。
く
[グリコーゲン]
-
動物の肝臓や筋肉に蓄えられている物質の1つです。デンプンなどの炭水化物を食べると、小腸でブドウ糖に分解され、体内に吸収されます。ブドウ糖は血液によって肝臓や筋肉に運ばれ、グリコーゲンとなって蓄えられます。肝臓は、必要なときにグリコーゲンをブドウ糖に分解することで、血液中のブドウ糖の量を調節しています。
[クローン]
-
親と全く同じ遺伝子を持った生物の集団や、1つの細胞が分かれてできた細胞の集団のことを『クローン』といいます。現在では、羊などの動物のクローン実験も成功しています。
植物の場合、茎の先で生長する部分を取りだし、寒天の上で育てると、細胞の塊になります。これを細かく切り分けて育てると、親と全く同じ性質を持ったたくさんの苗を作ることができ、いろいろな作物に利用されています。
け
[蛍光物質]
-
光が当たると、当てた光と違う色の光を出す物質です。蛍光灯の場合、人間の目には見えない紫外線が管の内側の蛍光物質に当たることで、目に見える光を出しているのです。
[血液]
-
動物の血管の中を流れている液体のことを『血液』といいます。ヒトの血液は、酸素や二酸化炭素を運ぶ「赤血球」、有害な最近を食べて殺す「白血球」、免疫に関係する「リンパ球」、出血したときに血液を固める「血小板」などの形のある成分と、ホルモン・栄養分・老廃物などを運ぶ液状の「血漿(けっしょう)」からなります。
[血液型]
-
赤血球にある抗原物質の違いにより、血液はいくつかのタイプに分けることができます。ヒトの血液型の場合、ABO式血液型がよく知られていて、A型・B型・AB型・O型の4種類があります。また、Rh式血液型には、+(プラス)型と−(マイナス)型があります。その他、MN式血液型などがあり、輸血の際には、血液型を合わせるなどの注意が必要です。血液型は遺伝的に決まっています。
[元素]
-
酸素、水素、鉄などのような原子の種類のことで、元素ごとに化学的な性質が異なります。自然界にはおよそ90種類の元素があり、人工的に作られたものも含めると、約110種類の元素が知られています。元素を表す記号が使われており、その記号を元素記号といいます。例えば、炭素:C、水素:H、酸素:Oなど。
こ
[抗原]
-
生物に抗体を作らせる物質のことで、細菌・ウイルス・ヘビ毒・花粉・ダニ・化学物質などが知られています。予防接種に用いられるワクチンは、殺したりなどして毒性を弱めた病原菌やウイルスを、健康なヒトに注射したりすることによって、これを抗原として免疫をつけさせ、病気にかかりにくくしたり、病気にかかっても重い症状にならないようにするために利用されています。
[抗原抗体反応]
-
病原菌など、生物の体内に入り込んだ抗原と、抗原と戦うために作られる抗体との間で起こる反応のことで、生物が自分の体を守るためのしくみの1つです。抗体は、その抗体を作るもとになった抗原にだけ反応します。免疫作用やアレルギー反応も、抗原抗体反応が関与しています。
[抗生物質]
-
カビや放線菌などの生物が、他の生物の成育を抑えるために作る物質のことです。現在では、その性質を利用して病気やけがを治すために利用されています。しかし、この抗生物質によって、抗生物質に耐性のある細菌が生まれたり、新たな問題が起こっています。
[酵素(こうそ)]
-
そのもの自身は変化せず、他の物質の化学反応を進める働きのあるものを「触媒(しょくばい)」といい、主にたんぱく質からできているものを「酵素(こうそ)」といいます。酵素は細胞で作られ、生物の消化管や細胞の中には、たくさんの種類の酵素があり、多くの化学反応を進めています。例えば、唾液の中にはアミラーゼという酵素が含まれていて、でんぷんを麦芽糖に分解する反応を進めています。
[抗体]
-
生物の体内に、病原菌などの抗原となる物質が入ると、これを取り除くために、リンパ球の一種が作る物質が抗体です。病原菌などに対して、体が抗体を作れる状態にあることを「免疫がある」といいます。
[高分子化合物]
-
1000個〜数十万個という、非常に多くの原子が結びついてできた分子からなる物質のことを「高分子」といいます。天然のものでは、絹や木綿などの繊維、でんぷんやたんぱく質、天然ゴムなどがあります。また、人工的なものでは、プラスチックや合成繊維、合成ゴムなどがあります。
[酵母 (こうぼ)]
-
「イースト菌」ともいわれています。カビの仲間で、5nm〜10nmの楕円形をしています。酸素がない状態ではアルコール発酵を行い、糖類をアルコールと二酸化炭素に分解します。この性質を利用して、お酒を作ったり、発生する二酸化炭素でパンを膨らませたりするのに利用されています。
[呼吸]
-
生物が、物質から生きるために必要なエネルギーを取り出す働きを「呼吸」といいます。肺やえらなどの呼吸器官で酸素を取り込み、二酸化炭素を排出することを「外呼吸(がいこきゅう)」といいます。
取り込まれた酸素は、細胞まで運ばれ、消化管で吸収された炭水化物などとともに、エネルギーを作るために利用されています。細胞での酸素と二酸化炭素の交換を「内呼吸(ないこきゅう)」といい、外呼吸と区別しています。
[骨格]
-
いくつかの骨が集まって、体の形を支える役割を果たしている骨組みのことを「骨格」といいます。脊椎動物は、体の中心にある背骨が体を支えています。この骨に筋肉がつき、運動できるしくみを作り上げています。