第3章 植物の生殖と発生

A シダ植物(とコケ植物)の生活環

 生活環・・・生物の一生を生殖の方法に注目して環状図にしたもの

 世代交代・・・生殖の方法が異なる世代が交代すること
         コケ・シダ植物では無性生殖と有性生殖する世代が交互にある。

  これに対して、核相が変わることを核相交代という。

   2n  複相世代     n  単相世代

 胞子体・・・2nの染色体をもつ
 配偶子・・・nの染色体をもつ


 シダ・コケ植物の共通点は受精卵から胞子体が作られ、胞子からは配偶体が作られる。

  シダ植物・・・胞子体と配偶体(前葉体)は独立し、胞子体の方が大きい。

  コケ植物・・・胞子体は配偶体にくっついて、小さい。

B 被子植物の生活環

 被子植物の生殖と発生

  雌・・・雌しべ(雌ずい)の下部は子房といって膨らんでいる。この中に胚珠があり、胚珠の中心に胚嚢母細胞(2n)という大きな細胞があり、この胚嚢母細胞が減数分裂を行い、胚嚢細胞(n)となり、この胚嚢細胞が体細胞分裂して胚嚢(卵細胞、中央細胞を含む8核7細胞からなる)となる。

  雄・・・雄しべの約の中で、花粉母細胞が減数分裂を行い、四分子となり、これが花粉になる。

   花粉は雌しべの先(柱頭)につくと雌しべの中に花粉管をのばして進入する。花粉管は胚嚢の中に入ってくる。

 重複受精

  卵細胞と精細胞が受精し受精卵(2n)
  2つの極核と精細胞が合体し胚乳核(3n)

  受精卵は細胞分裂して、胚になる。
  中央細胞の部分は胚乳になる。

 裸子植物の生殖と発生

  種子植物と基本的には同じ。
  雌しべがないので、胚珠が裸出している。
  重複受精は起こらない。

C 生活環を比べると

 種子植物の生活環

  
  配偶体・・・成熟した胚嚢と花粉  (n)
  胞子体・・・植物体  (2n)


 植物・・・世代交代がある。減数分裂後に生殖細胞は体細胞分裂して配偶子を作る。

 動物・・・世代交代はない。減数分裂後に生殖細胞は配偶子として受精する。