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第
6
日
目
ヴァレンシア
〜
バルセロナ
次
の
朝
は
レストラン
で
食事
をするには
早すぎる
ため
、
弁当
として
リンゴ
、
ジュース
、
ビスケット
などが
入っ
た
袋
を
手渡さ
れ、
部屋
で
ぼそぼそ
と
食べ
、
かなり
暗い
うち
に
出発
した。
オレンジ
農園
に
着い
て、
農園
の
おじさん
に
案内
して
もらっ
て
畑
の
なか
を
歩く
。
木
に
オレンジ
が
たわわ
に
付い
て
い
て
枝
が
折れ
て
いる
の
もあるほどだが、
まだ
ほとんど
は
濃い
緑色
をして
い
た。
まだ
夜
が
明け
ず、
おじさん
に
木
から
実
を
とっ
て
もらっ
て
食べ
たり、
写真
を
撮っ
て
いる
うち
に、
明るく
なっ
て
き
た。
オレンジ
は
まだ
ちょっと
未熟
な
感じ
で
早生
蜜柑
に
よく
似
た
味
がした。 「
食べ
放題
」といっても
酸っぱい
ので一
個
食べる
と
みんな
もう
いい
といった
感じ
で
引き返す
。
最後
を
歩い
て
い
た
夫
に、
おじさん
は
手
に
持てる
だけ
オレンジ
を
持た
せて
くれ
た。
オレンジ
も
大きい
の
小さい
の
と
色々
あって、
あんまり
手入れ
はせず、
収穫
の
とき
は
季節
労働
者
が
摘み
にくる
の
だ
そう
だが、
オレンジ
の
木
が、
膨大
にある
の
で、
想像
が
つか
ない。
親切
そう
な
人
だが
日本語
は
もちろん
英語
も
通じ
ない
ため
、
友好
も
あまり
盛り上がら
ず
畑
の
道
を
引き返し
た。
そして
最後
の
地
、 380
キロ
離れ
た
バルセロナ
に
向かう
。
バルセロナ
は
スペイン
第
2の
大きな
都市
なので、
工場
や
自動車
販売
店
が
目
に
付き
、 ヒュンダイという
韓国
の
自動車
の
看板
を
よく
目
にした。
日本
の
自動車
の
看板
より
多い
。
街
の
繁華
街
でも
一等
地
らしい、
プラタナス
並木
の
レストラン
に
入る
。
夫
は
赤ワイン
を
頼ん
だ
の
に
白
ワイン
が
注が
れ
不満
げ
だ。
ス
モー
ク
サーモン
の
サラダ
というと
聞こえ
は
いい
が、 ピラッと一
枚
あまり
おいしく
ない
の
が
出
て、
次
は
しょっぱい
ソーセージ
と
お決まり
の
ポテト
フライ
、
デザート
は
カスタードクリーム
の
飴
がけ
。
下
の
階
の
カウンター
には
色とりどり
の
料理
が
並ん
で
いる
のに、
かなり
お粗末
だ。
旅行
会社
が
値切っ
て
安上がり
の
食事
にした
の
かなと
勘繰り
たく
なる
。
食事
も
早々
に、
バス
で
小高い
ところ
にあるグエル
公園
に
行く
。
ガウディ
が
設計
して1914
年
に
着工
した
家
があり、
あまり
費用
が
かかる
ため
3
軒
しか
でき
なかったというが、
とにかく
ユニーク
だ。
ピカソ
や
ディズニー
に
影響
を
与え
た
そう
で、
よく
まあ
これ
だけ
自由
奔放
に
造っ
た
もの
だと
感嘆
するばかり。
自然
な
もの
に
直線
はない、
うねうね
カーブ
する
ベンチ
や
凹凸
の
アーチ
、
わざわざ
タイル
を
砕い
て
張りつけ
た
装飾
の
斬新
な
おもしろ
さ
等
、
写真
に
撮り
きれ
ないほど。
ガウディ
の
ポリシー
の
結晶
だ。
彼
亡き
あと
は
弟子
たち
が
継い
で
完成
させた。
ガウディ
は
先ず
優秀
な
職人
を
集め
、
その
人
たち
の
子供
ため
に
幼稚園
まで
建て
た。
雨水
を
集め
て
柱
を通して
利用
する
装置
とか、
彼
の
先見
性
に
ただただ
感心
するばかり。
とにかく
設計
者
の
生き生き
とした
精神
が
これ
だけ
生き
て
いる
公園
は
初めて
見
た。
ここ
は
子供
たち
の
遠足
の
団体
も
たくさん
来
て
い
て、
私
たち
にも
礼儀
正しく
挨拶
して
くれ
た。
ベンチ
だって
座り
心地
を
ちゃんと
考え
て
作っ
て
ある
。
予想
もして
い
なかった
面白
さ
に、1
日
ここ
で
遊ん
で
過ごし
たく
なっ
た。
モザイク
タイル
の
欠片
を
記念
に
もらっ
て
帰る
。
次
のサグラダファミリア
教会
は、
ガウディ
が
完成
期限
を
つけ
ずに
作り
始め
た
の
で、
まだ
建築
中
で、
いつ
出来上がる
か
見当
も
つか
ない。
天
を
突く
高い
尖塔
が
現在
は4
本
でき
て
い
て
中央
入り口
に
顔面
が
球状
、
目鼻
の
ない
像
を
取り囲む
彫刻
群
が
目
を
引く
。
高い
塔
は、
エレベーター
か
階段
で
登れる
の
で、
夫
は三百六十何
段
かある
階段
を
登っ
た。
降りる
とき
ぐるぐる
回り
、
めまい
を
起こし
かけ
た
そう
だ。
わたし
は80
段
も
行か
ないで
断念
した。
上
の
ほう
にある
彫刻
は
よく
見え
ないので、
なか
の
博物館
で
模型
を
見る
。
日本人
と
まったく
違う
人生
観
で
生き
なければ
出
て
こ
ない
発想
だ。
永遠
に関する
観念
が
違う
の
だと
思う
。
入場
者
の
寄付
金
で
建築
を
続ける
そう
だが
実に
気
の
長い
話
ではないか。
町中
には、
この
ほか
にも
ガウディ
が
設計
した
建物
が
いくつ
かあり、
街
に
戻っ
て
それら
を
見
たが、
テラス
が
波打っ
て
い
たり、
仮面ライダー
の
面
の
よう
な
手摺
があったりと、
皆
それぞれ
に
ユニーク
で、
曲線
が
生かさ
れた
一見
の
価値
がある
もの
ばかり。
注文
主
は、
みんな
に
気持ち
が
悪い
と
不評
を
買っ
ても
何
も
言わ
れないよりも
いい
と
ご
満悦
だった
そう
だ。
こんな
街
に
住ん
で
い
たからこそ、
ピカソ
や
ダリ
は
感性
が
更に
磨か
れた
の
だろう。
バルセロナ
は
ほか
の
街
と
雰囲気
が
違う
。
活気
があって、
ユニーク
である
こと
に
誇り
を
持てる
よう
な
街
な
の
だろう。
中沢
新一
が
絶賛
して
い
た「
自由
かっ達
」の
象徴
である
三角
の
マーク
もあった。
バルセロナ
の
銀座
といった
場所
にあるロエヴェに
行く
。
王室
御用達
の
高級
品
ばかりなので
そこ
は
早々
に
出
て、
街
を
ぶらつい
て
ライオン
の
飾り
の
付い
た
スープ
入れ
を
買っ
たり、
ガウディ
の
建物
の
写真
を
撮っ
たりする。
周り
の
店
もカルティエなど
高級
品
店
が
多い
。
わたし
たち
の
ホテル
は
嬉しい
こと
に
ラン
ブラ
ス
通り
という
盛り場
に
面し
たオリエンテという
古い
ホテル
。
着く
と
すぐ
通り
に
出
た。
たくさん
の
観光
客
や、
お上りさん
が
歩い
て
いる
ので、
通り
に
カフェ
が
テーブル
を
出し
、
土産物
や
花屋
の
屋台
、
小鳥
屋
が
ずらりと
店
を
出し
賑わっ
て
いる
。 パーフォーマーが何
人
もおり、
こちら
のパーフォーマーは
金
を
貰っ
た
とき
だけ
機械
人形
の
よう
に
動き
、
あと
は
じっと
して
いる
の
が
はやり
の
よう
だ。
通り
の
横丁
にある
地元
の
人
ばかりの
カフェ
に
入り
、
ビール
に
オリーブ
の
ピクルス
、
イカ
の
から
揚げ
、
茄子
と
トマト
の
油
炒め
などを
食べ
て
すっかり
おなか
が
いっぱい
に
なる
。
言葉
は
全然
通じ
ないけど、
身振り
で
注文
が
できる
し、
隣
の
席
の
おじさん
とも
ちょっと
交流
したりして、
今
まで
味わえ
なかった
気分
を
堪能
する。
また
通り
を
歩き
、
横丁
の
ずっと
奥
まで
広がる
市場
に
足
を
踏み入れ
、
珍しい
食品
を
物色
して
歩く
。
大きな
生
ハム
に
かなり
心
惹か
れたが、
持っ
て
帰れ
ないので
諦め
、 アルカパインを
やっと
見つけ
て、
どっさり
買う
。
無花果
の
菓子
も
買い
足す
。
その後
、
地元
の
大きな
スーパーマーケット
に
入っ
たりし、
街
の
雰囲気
に
浸っ
た。
ラン
ブラ
ス
通り
は
夜
10
時
11
時
までも
賑わい
、
添乗
員
さん
が
脅す
ほど
恐い
ところ
ではなかった。
午後
8
時
に
集合
して
モンジュイック
の
丘
の
スペイン
村
へ
フラメンコ
を
見
に
出かける
。
途中
オリンピック
会場
や
聖火
台
など
車窓
から
覗く
。
ここ
は1929
年
の
万博
の
際
に、
スペイン
全
地方
の
有名
な
建築
物
を
再現
して
集め
た
ところ
で、
昼間
来れ
ば、
いい
散歩
コース
であろう。
その
なか
の
レストラン
で
食事
を
取る
。
生
ハム
メロン
に
何
か
出
たけど、
もう
、
おなか
いっぱい
だったので
手
を
出さ
なかった。
おまけに
頭痛
も
ひどく
、
早く
帰っ
て
寝
たいとばかり
思っ
て
い
た。
ほか
にも
たくさん
の
観光
客
の
団体
で
いっぱい
だ。
前
の
あまり
広く
ない
ステージ
で
歌
と
ギター
、
踊り
手
が
入れ代わり
立ち
変わり
登場
して
フラメンコ
が
始まっ
たら、
その
激し
さ
に
圧倒
され、
血
が
沸き立っ
て
頭痛
なんか
吹き飛ん
で
しまっ
た。
踊り
手
は
若く
美しい
女
の
人
2
人
と
中年
の
男女
、
若い
男
の
人
だ。
ギター
は
ジャン
・
レノ
を
スリム
にした
よう
な
渋い
ハンサム
で、
リズム
の
切れ
の
よ
さ
に
痺れる
。
すばらしい
。
足
を
なんて
激しく
踏み鳴らす
の
か。
踊り
な
ん
かに
普段
まったく
興味
を
示さ
ない
夫
も
すっかり
心
奪わ
れた
様子
で
見
て
い
た。
たくさん
の
愛好
家
がいる
なか
で、
プロ
として
やっ
て
いる
だけあって、
観光
客
相手
とはいえ
レベル
が
高い
と
思う
。
途中
から
出
て
来
た
男
の
踊り
手
が
真打ち
らしく、
激しい
踊り
を
たっぷり
時間
を
かけ
て
見せ
て
呉れ
た。
元
が
オリーブ
だか
葡萄
だかを
踏み
潰す
労働
の
様子
だったというには
激しい
動き
で、
種
まで
粉々
に
なろ
うかという
ステップ
だ。
すっかり
感動
し、
酔い
痴れ
て
満足
しながら
ホテル
に
帰る
。
この
ショー
が
一番
最後
だった
の
は
良かっ
たと
思う
。
逆コース
もある
そう
で、
始め
に
フラメンコ
に
感動
すると
次
の
街
、
次
の
街
で、
夜な夜な
ショー
を
求める
客
も
出
て
来る
の
だ
そう
だ。
後
の
観光
は
付足し
の
よう
に
なっ
て
しまう
。
最後
の
盛り上がり
が
一番
で
よかっ
た。
バルセロナ
は
ほか
にも
見所
が
たくさん
あり、
ピカソ
美術館
やモンセラートの
修道
院、
ちょっと
足
を
伸ばせ
ばフィゲラスの
ダリ
美術館
などもある。
夫
は、 「
今度
来る
とき
は…」 と、
もう
気
の
早い
こと
を
言っ
て
いる
。
こうして
8
日
間
の
旅
を
満喫
して
次
の
朝
、
帰路
に
着い
た。
今度
は
ヘルシンキ
乗り換え
一
度
だけで
しかも
到着
が
遅れ
た
ため
、
走る
よう
にして
飛行機
を
乗り換え
、
北極
回り
で
帰っ
た。
すぐ
夕暮
に
なり
、
寝る
。
そして
、
雲の上
から
朝日
が
顔
を
出す
の
を
見
たり、
うつらうつら
しながら
飛行
して、
往路
よりは3〜4
時間
早く
成田
に
到着
した
の
だった。
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